鴨川食堂鴨川食堂
著者:柏井 壽
小学館(2013-11-25)
販売元:Amazon.co.jp

京都・東本願寺の近くにあるというその食堂には看板がない。食堂を切り盛りするのは、鴨川流とこいしの親子二人。この食堂では、もう一度食したい食べ物の味を少ない手がかりから再現してくれるという。店に辿り着く手がかりはただひとつ、料理雑誌に掲載される<“食”捜します>の一行広告のみ。
「鯖寿司」「ビーフシチュー」「鍋焼きうどん」「とんかつ」「肉じゃが」「ナポリタン」の思い出と味を求めて、六人の客が訪れる。

テレビで紹介されていて気になっていた作品でした。
「思い出の『味』捜します」という一行広告を料理雑誌に載せており、ご縁があった依頼者が求める味を探す探偵のような仕事もしています。
この作品で登場するのは6人6品。それぞれがいろんな思いを抱えていて、どれだけその料理に思いれがあるのか。読んでいてほっこりしたり切なくなったり。
どの作品も良かったです。
ただ、流が推理して依頼者の求める味を探しに旅に出るのですがその部分がすっぽり抜けていて、すぐ解決編になるのがもったいないなぁとも思いました。
出てくる料理が依頼したもの以外もとてもおいしそうで、食材一つ一つの解説もとても丁寧だからさらっと読めちゃうのが凄くもったいなく感じるんです。
ただどの作品も良かったことは事実。
続編を書いてほしいなと切に願います。
こいしちゃんの恋模様もとても気になりますし^^

〈小学館2013.11〉H26.7.14読了