豆の上で眠る豆の上で眠る
著者:湊 かなえ
新潮社(2014-03-28)
販売元:Amazon.co.jp

行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹――。あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの? 13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い――戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか? 待望の長編、刊行!

「告白」を読んで以来の湊さんです(アンソロジーを除く)テレビで紹介されているのを見て、気になって久しぶりに手に取りました。
以前この本のインタビューで湊さんが「親は子供のためなら命を懸けられるというが、姉妹ならどうだろうか」とおっしゃっていたのが印象的で。
正直、私は命は懸けられない。し、懸けたくないと思います。
続きが気になって一気読みしてしまいましたが、結末まで読んで何だかもやもやした感じです。それはストーリーがということではなくて、自分の中にある姉妹の形や過去、現在の自分と妹、親の関係をいろいろ思い出して暗くなって気持ち悪くなってきたからで^^;
最後まで読んで、本当に可愛そうだったのは結衣子だったなと思いました。
姉がいなくなり、それだけでも辛いのに、母親に利用され、利用されたことで友達を失い、危ない目にもあって。そしてそんなに協力したにもかかわらず真実を告げられずにいた13年。
子どもだから分からないとでも思っているんでしょうか。この物語の中にも書かれていましたが、おとなは子供の時に感じたことを忘れているんでしょうか。余りにも可哀想で、読んでいて辛かったです。
これから結衣子はどうなっていくのだろう。時間がかかってもすべてを受け入れて、ちゃんと自分の道を歩んでいってほしいなと思いました。

〈新潮社 2014.3〉H26.6.17読了