
著者:小野 不由美
新潮社(2013-06-26)
販売元:Amazon.co.jp
「希望」を信じて、男は覚悟する。慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる「大射(たいしゃ)」とは、鳥に見立てた陶製の的を射る儀式。陶工である丕緒(ひしょ)は、国の理想を表す任の重さに苦慮していた。希望を託した「鳥」は、果たして大空に羽ばたくのだろうか──表題作「丕緒の鳥」ほか、己の役割を全うすべく煩悶し、一途に走る名も無き男たちの清廉なる生き様を描く全4編収録。
ずーっとずーっと待って待って待ちましたよ。待ちくたびれましたよ!
12年ぶりの十二国記シリーズ新作ー!いえい!
・・・と発売されるまでテンションが高かったのですが、読んでみたら重い重い。
今回の短編はそういう形なのねと身を引き締め直して読みました。
どの国も王が不在の不安定な時が描かれていました。
私自身読むのが数年ぶりで十二国記のことを忘れかけていたのだけど、読みながらだんだん思い出してきました。
それにしても4作はどれも苦悩に絶望ばかり。読んでいて辛かったです。
先の見えない暗闇にもがいている人達。でもその先にある光を求めて人は歯を食いしばって生きています。どの作品も最後が光が見えて良かったです。
「丕緒の鳥」この作品は数年前にすでに発表されていたんですよね。想像するだけで美しく綺麗な姿が目に浮かぶようです。そういえば慶国は女王が続いていて誰もかれも酷い人たちだったんだった。それも思い出しました。最後に登場したのは、きっと陽子ですよね。
「落照の獄」罪と罰と、死刑かそうではないか。これは今のこの世界でも問われている問題ですよね。ずっと苦悩している姿が辛かったです。柳国って国が傾き始めていたんでしたっけ。新しい王が誕生してこの国も犯罪者が減って幸せになったらいいのにね。
「青条の蘭」この作品も国が滅びかけていて最後の一縷の望みのために漂仲がまさに粉骨砕身で王の元へ向かいます。それでもとうとう動けなくなった後に国民がリレーのようにその望みをつないでいく姿が良かったです。
「風信」この物語も慶国ですね。陽子が来る前の世界は本当に歪んでいたんだなというのが分かります。蓮花の境遇が辛すぎます。それでも出会うべく人たちに出会って生きていく姿は望みが見えました。それに大丈夫。その王が崩御した後は陽子が王になるから。
これからは長編も登場するんですよね。楽しみでなりません。私はホワイトハートの文庫を持ってるんですが、新装版を買おうか悩んでいます^^;内容はきっと同じなんだろうけど…買ったからって前のを捨てるわけでもないですし。悩み中です。
〈新潮社 2013.7〉H25.7.11読了
ご無沙汰しております。
十二国記シリーズの新作が出ましたね!
4編中2編は何年か前に確か「yom yom」で読んだのですが、苗坊さんが書かれているように重〜い感じだったことを覚えています。
うーん、残りの2編も重いのですか。。。
これまで全作を持っているので買うことは買うと思いますが、もうちょっと元気さや明るさ、ホッとするようなシーンがある方が好みです。
十二国記シリーズでは、ハラハラ&しびれるような長編新作を読みたいものです。