キアズマキアズマ
著者:近藤 史恵
新潮社(2013-04-22)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
決して交わるはずのなかった、俺たち。喪失を超えるように、ただ走り続ける――。命をかける覚悟? 誰かを傷つける恐怖? そんなもの呑み込んで、ただ俺は走りたいんだ。ひたすらに、自分自身と向き合うために。助けられなかったアイツのために――。一年間限定で自転車ロードレースに挑むことになった正樹。「サクリファイス」シリーズ4作目、新たな舞台は大学自転車部! ファン待望の最新長編小説。

ロードレースシリーズの第4弾。
チカたちの話かと思ったら新シリーズになっていましたね。今回の主人公は大学生。そしてロードレースに目覚めるところから始まります。
このシリーズ、好きなのだけどいつもドーピングがあったり、ドロドロしてる感じがちょっと苦手だったのだけど、今回は何だか爽やかだったなー。
学生だったからかな。みんなが抱えている問題はそれぞれあるのだけど、でも純粋にロードレースと向き合っている姿は櫻井も正樹も、隅田だって村上だってかっこよかったです。
櫻井の抱えているものは凄く重たい重圧だけど、でも正樹も抱えることになったのだからそれでいいんだと思います。正樹も自分が抱えているものを、この人たちの前なら吐き出しても良いんじゃないかと思いました。
どこか残酷で、それでいて美しい素敵な作品でした。
櫻井や正樹の今後をもっと読んでいきたいと思います。
あ、そういえば赤城さんが登場しましたね。今までのシリーズと繋がって少し嬉しかったです。

〈新潮社 2013.4〉H25.6.18読了