草子ブックガイド(2) (モーニング KC)草子ブックガイド(2) (モーニング KC)
著者:玉川 重機
講談社(2013-02-22)
販売元:Amazon.co.jp

本を愛する皆様へ。今回は『老人と海』、『山椒魚』、『バベルの図書館』、『銀河鉄道の夜』、『夏への扉』、『月と六ペンス』、『飛ぶ教室』と大ボリューム7冊分のブックガイドを収録しました! 読むと文学にキュンッとなる、14歳の草子(そうこ)が紡ぎ出す爽やかな読書体験記(ブックガイド)、どうぞお楽しみください!!

第2弾です。出るのを楽しみにしていました。
今回登場する作品は、タイトルや著者は知っていてもちゃんと読んだことのない作品ばかりだったので、ストーリーを知ることが出来て良かったです。
草子は1巻では一人ぼっちで寂しそうでしたけど、2巻では2人も友達が出来ました。一人は潮崎君。潮崎君は最初の印象とは別人みたいですね。あーだーこーだ最初に行っていたのは照れ隠しだったのかな。将来を見据えている潮崎君を草子は強いと言い、潮崎君は本を通して自分をちゃんと見つめられている草子を強いと言います。お互いがお互いの良さを見つけて伝え合うことが光を見出しているようで眩しくて素敵だなと思います。恋愛関係とは違う2人の関係が何だか良いなと思いました。
二人目は磯貝さん。磯貝さんもかなりの文学少女で図書委員でもなくぽっと出で司書教諭の江波先生に気に入られていることが面白くありません。それを思いっきり顔に出して草子に宣戦布告しているのが分かりやすくて可愛いです。磯貝さんは8人兄弟で家に帰っても親にかまってもらえず家の手伝いに追われて、自宅に自分の居場所を見いだせていません。草子と境遇は違えど心の中で抱えているものは似ているものがあります。
『銀河鉄道の夜』の文章を二人がジョバンニとカムパネルラとなって、読みあっているシーンが好きでした。私も草子と同じく、初期形よりも最終形の方が好きです。
始めの『老人と海』のお話で不覚にも泣いてしまいました。潮見堂の店主のあとがきが温かくて、草子との物語が優しくて。私も最期死ぬときには「あとがき」を残せたと思えるのだろうか。自分の人生は一冊の本のようだったって思えたら、私は幸せかなと思います。
草子は最後に自分は一人だと言って磯貝さんの家を後にします。磯貝さんも大家族の中にいても孤独を感じている事にも気づかず。
草子が自分が一人じゃないと気づいたときに、何か新しい扉が開かれるのかなと思います。私は、その瞬間を読めたら良いなと思います。
1巻も好きでしたが、今回読んだ2巻の方がとても好きでした。3巻の発売も決まっているそうなので、今から楽しみにしています。

〈講談社 2013.2〉H25.5.4読了