何のために生まれてきたの? (100年インタビュー)何のために生まれてきたの? (100年インタビュー)
著者:やなせ たかし
PHP研究所(2013-02-07)
販売元:Amazon.co.jp

各界一流のプロの半生をインタビューで解き明かす人物ドキュメント番組「100年インタビュー」(NHKBSプレミアムで放送中)の単行本化。第10弾は、「アンパンマン」や童謡「手のひらを太陽に」の生みの親である漫画家のやなせたかし氏。
やなせ氏は現在93歳。目も耳も悪くなり、がんを患って腎臓も片方がなく、すい臓は三分の一切除。胆嚢もなく、腸閉塞で腸を切り、心臓にはペースメーカーが入っている。しかし、東日本大震災では、「アンパンマンのマーチ」が被災地を勇気づけ、やなせ氏もアンパンマンのポスターを描いて避難所に送り、現地にもかけつけた。
漫画家になりたいと上京しながら芽が出ず、様々な職業で生活をつなぎ、くじけそうになるたび、「何のために生まれてきたのか」と初心に戻り、アンパンマンがヒットしたのは69歳。同じ生きるなら自分もまわりも楽しくしたいと、いつも前向きを心がけてきた軌跡には、人生を生き抜くヒントが満載!

ついこの間やなせたかし展に行ってきました。展示の1番初めのやなせさんの来歴や作品に懸ける想いを読んでいたらそれだけでもう涙が出てきました。他の人でも鼻を啜っている人がいました。たくさん苦労をされた方だから、こんなに強くて暖かい言葉を紡ぐことが出来るんだろうなと思います。本当に、やなせさんの言葉は温かいです。
戦争を経験したやなせさんは戦争はなにがなんでも絶対に反対で何も生まれないとおっしゃっています。アンパンマンはとても弱い正義のヒーロー。水に少し濡れても力が出なくなる。顔のパンをちぎってあげてももちろん力がなくなる。それでもアンパンマンは困っている人がいたら身を呈して助ける。それが、やなせさんの想いなんですよね。困っている人がいたら敵も味方もなく協力し合う。それが今回の新しい映画でテーマとして挙げられているそうです。
本当に、そんな世界になったらいいのにね。やなせさん自身がアンパンマンのようです。東日本大震災の時に1番聴かれていたのが「アンパンマンのマーチ」だったそうですね。私、この歌大好きです。でも、悩んでいる時は聴くのがつらいときもあるのだけど。
「何のために生まれて 何をして生きるのか」やなせさんはその答えを見つけたのが60歳を過ぎてからだそうです。私もまだ全然わかりません。歳を重ねていったら分かっていくのかな。答えられないのは、やっぱり嫌だもの。
100年後が、やなせさんがおっしゃるような世界になっていればいいなと思います。出来れば私が生きているうちだと良いけど^^;

〈PHP研究所 2013.2〉H25.5.3読了