坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー
著者:坂木 司
光文社(2013-01-18)
販売元:Amazon.co.jp
「空の春告鳥」坂木司
杏子は休みの日に母へデパートに連れて行かれる。駅弁フェアが行われているらしい。母が駅弁を選んでいる間、杏子は近くにあった和菓子屋に立ち寄る。店員の対応を気にしていたら、その店員に難癖を付ける客が現れた。その店員を「飴細工の鳥」といってその客は去って行った。杏子はその意味が気になり始める。
「トマどら」日明恩
宇佐見圭の元には定期的にどら焼きが贈られてくる。宇佐見にとってそれは憂鬱でしかなかった。数か月前に遡る。近所の和菓子屋でいつの間にか常連となり、警察官だと告げてしまったとき、店員から悩みを相談された。娘が怪しい男にいれあげており、困っているのだという。
「チチとクズの国」牧野修
ぼくは借金に追われ、自殺することを決意した。差し押さえられている実家で首を吊ろうとして失敗した。自殺すらできないと嘆いていると死んだはずの父親が立っていた。
「迷宮の松露」近藤史恵
5年間休みなしで働き続けた私は、仕事を辞めてモロッコへ行く決意をする。モロッコへ来てから2週間、ここへ来てから祖母の夢をよく見るようになった。祖母はとても綺麗な人だった。
「融雪」柴田よしき
菜穂は結婚生活を止め、この地へやってきた。ここでカフェを始めて1年が経とうとしている。ある朝、綺麗な女性が道を訪ねてくる。菜穂は気づかなかったが、テレビで良く見かける有名人らしかった。
「糖質な彼女」木地雅映子
僕はオタクで引きこもり。精神科へ行くと医者からは罵倒される。やたらと過保護な母にうんざりし、突き飛ばして走り出し、立ち止まるとそこには大好きなアイドル鴻島りりにそっくりな少女がいた。
「甘き織姫」畠中恵
伊藤の元へ数年ぶりに大学時代の友人岳野から電話があった。その謎解きが分からず同じく大学時代の友人たちを交えて岳野が考えた謎を解いていく。
シリーズ最後、和菓子のアンソロジーです。
和菓子に特化したアンソロジーもまた特殊ですよね^^でもテーマが同じなのに全然違うストーリーでどれも面白かったです。
「空の春告鳥」アンちゃんシリーズのスピンオフ。またアンちゃんに逢いたいなと思っていたので嬉しかったです。それにしても「飴細工の鳥」の意味には驚きました。和菓子は本当に奥深いですね。どんどん知識を持って成長していくアンちゃんが楽しみです。
「トマどら」日明さんは気になる作家さんでしたが、読むのは初でした。面白かったです。和菓子からの刑事もの。人が死んだりはしませんでしたが結びつきが面白かったです。そして事件(出来事?)の内容は、他人事とは思えませんでした。登場する和菓子屋の長女の想い、私は痛いほどわかります。長女がした行動も物凄く分かります。今の自分に当てはまることが多すぎて、途中は読むのをためらったくらい。長女は善人だから完全に謝絶はしなかったけど、私は善人じゃないから宇佐見が望んでいることはきっとしないと思う。何だか泣きそうになりました。泣くような作品じゃないのにね。
「チチとクズの国」牧野さんは初読み作家さんでした。最初はなかなか読んでいて辛かったですが、お父さんと息子の会話がなかなか間が抜けてて温かくて素敵なお話でした。
「迷宮の松露」こちらも主人公にかなり感情移入してしまうお話でした。辛かったら逃げても良いと思う。逃げた先に自分が求めていたものが分かったり改めて自分を見つめ直すことが出来ると思うから。
「融雪」坂木さんもおっしゃっていましたが、この作品が1番出てくる食べ物がとても美味しそうでお腹が空きました^^;上手く言ったら出来すぎな気がしますけど、でも、上手く言ったらいいなと思って読み終えました。
「甘き織姫」畠中さんの作品なのに、なぜか百絵さんがキリコちゃんのようなイメージを持ってしまって、途中近藤さんの作品だと勘違いしました^^;すみません。岳野が考えた和菓子の謎、そして立花さんのそのお返事。謎解きが面白かったです。
〈光文社 2013.1〉H25.4.8読了
著者:坂木 司
光文社(2013-01-18)
販売元:Amazon.co.jp
「空の春告鳥」坂木司
杏子は休みの日に母へデパートに連れて行かれる。駅弁フェアが行われているらしい。母が駅弁を選んでいる間、杏子は近くにあった和菓子屋に立ち寄る。店員の対応を気にしていたら、その店員に難癖を付ける客が現れた。その店員を「飴細工の鳥」といってその客は去って行った。杏子はその意味が気になり始める。
「トマどら」日明恩
宇佐見圭の元には定期的にどら焼きが贈られてくる。宇佐見にとってそれは憂鬱でしかなかった。数か月前に遡る。近所の和菓子屋でいつの間にか常連となり、警察官だと告げてしまったとき、店員から悩みを相談された。娘が怪しい男にいれあげており、困っているのだという。
「チチとクズの国」牧野修
ぼくは借金に追われ、自殺することを決意した。差し押さえられている実家で首を吊ろうとして失敗した。自殺すらできないと嘆いていると死んだはずの父親が立っていた。
「迷宮の松露」近藤史恵
5年間休みなしで働き続けた私は、仕事を辞めてモロッコへ行く決意をする。モロッコへ来てから2週間、ここへ来てから祖母の夢をよく見るようになった。祖母はとても綺麗な人だった。
「融雪」柴田よしき
菜穂は結婚生活を止め、この地へやってきた。ここでカフェを始めて1年が経とうとしている。ある朝、綺麗な女性が道を訪ねてくる。菜穂は気づかなかったが、テレビで良く見かける有名人らしかった。
「糖質な彼女」木地雅映子
僕はオタクで引きこもり。精神科へ行くと医者からは罵倒される。やたらと過保護な母にうんざりし、突き飛ばして走り出し、立ち止まるとそこには大好きなアイドル鴻島りりにそっくりな少女がいた。
「甘き織姫」畠中恵
伊藤の元へ数年ぶりに大学時代の友人岳野から電話があった。その謎解きが分からず同じく大学時代の友人たちを交えて岳野が考えた謎を解いていく。
シリーズ最後、和菓子のアンソロジーです。
和菓子に特化したアンソロジーもまた特殊ですよね^^でもテーマが同じなのに全然違うストーリーでどれも面白かったです。
「空の春告鳥」アンちゃんシリーズのスピンオフ。またアンちゃんに逢いたいなと思っていたので嬉しかったです。それにしても「飴細工の鳥」の意味には驚きました。和菓子は本当に奥深いですね。どんどん知識を持って成長していくアンちゃんが楽しみです。
「トマどら」日明さんは気になる作家さんでしたが、読むのは初でした。面白かったです。和菓子からの刑事もの。人が死んだりはしませんでしたが結びつきが面白かったです。そして事件(出来事?)の内容は、他人事とは思えませんでした。登場する和菓子屋の長女の想い、私は痛いほどわかります。長女がした行動も物凄く分かります。今の自分に当てはまることが多すぎて、途中は読むのをためらったくらい。長女は善人だから完全に謝絶はしなかったけど、私は善人じゃないから宇佐見が望んでいることはきっとしないと思う。何だか泣きそうになりました。泣くような作品じゃないのにね。
「チチとクズの国」牧野さんは初読み作家さんでした。最初はなかなか読んでいて辛かったですが、お父さんと息子の会話がなかなか間が抜けてて温かくて素敵なお話でした。
「迷宮の松露」こちらも主人公にかなり感情移入してしまうお話でした。辛かったら逃げても良いと思う。逃げた先に自分が求めていたものが分かったり改めて自分を見つめ直すことが出来ると思うから。
「融雪」坂木さんもおっしゃっていましたが、この作品が1番出てくる食べ物がとても美味しそうでお腹が空きました^^;上手く言ったら出来すぎな気がしますけど、でも、上手く言ったらいいなと思って読み終えました。
「甘き織姫」畠中さんの作品なのに、なぜか百絵さんがキリコちゃんのようなイメージを持ってしまって、途中近藤さんの作品だと勘違いしました^^;すみません。岳野が考えた和菓子の謎、そして立花さんのそのお返事。謎解きが面白かったです。
〈光文社 2013.1〉H25.4.8読了
それにしても、「和菓子」からこんなにバラエティーに富んだお話が読めるとは思わなかったです。作家さん、それぞれの個性あふれるアンソロジーでとっても楽しめました。
…夜中に和菓子が食べたくなったのは困りものでしたけどね〜(笑)