終わらない歌終わらない歌
著者:宮下 奈都
実業之日本社(2012-11-17)
販売元:Amazon.co.jp

「覚えてる? 今、あのときの未来だよ」
高校二年の春、卒業生を送る会の合唱で、未来への願いを託した調べに心を通わせあったクラスメイト。
御木元玲、原千夏、中溝早希、佐々木ひかり、里中佳子、東条あや。三年の月日が流れ、少女たちは二十歳になった。
玲は音大の声楽科に進んだが、自分の歌に価値を見いだせなくて、もがいている。
劇団でミュージカル女優をめざす千夏が舞台の真ん中に立てる日は、もう少し先みたいだ……。
ぐるぐる、ぐるぐる。道に迷っている彼女たちを待つのは、どんな明日なんだろう――。
小説誌「紡」で発表された四編(「シオンの娘」「スライダーズ・ミックス」「バームクーヘン、ふたたび」「Joy to the world」)に、福井のタウン誌連載「コスモス」、そして、書き下ろし「終わらない歌」の全六編を収録。傑作『よろこびの歌』待望の続編!

読みました。先日読んだ「よろこびの歌」の続編です。3年後の彼女たちの物語です。
3年経って20歳になって大人になって。大人になったけどもがいている彼女たち。
その悩んでいる姿も何だかみんな美しい気がしました。
印象的なのは千夏でした。千夏の元気さ、前向きさ、一生懸命さに読みながら励まされました^^;凄いなって。でも、舞台俳優っていうのはそのくらいのタフさがないと続けられないというのも分かる気がして、千夏ならきっと真ん中に立てる日が来るよって思いました。
玲も何だか悶々としてましたね。でもその燻っている所から救い出したのも千夏なんですよね。何だか今回は千夏が主人公のように感じながら読みました。玲も型にはまらずに広い世界を見てほしいなと思いました。
2人の事を多く書きましたが印象に残っているのは東条あやの就職先の先輩のところでした。
自由に生きていいんだよっていう言葉が何だか自分に言われているようで。ちょうどその言葉がアドバイスになるような状況に今ちょっとあるので…。しかも同い年だったし…。
素敵な作品でした。出会えてよかったです。

〈実業之日本社 2012.11〉H24.12.22読了