
著者:加藤 千恵
幻冬舎(2012-04-25)
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高級マンションの一室で暮らす、わたし・奏絵とまひる。一緒に住んでいるにもかかわらず、わたしたちは、姉妹でも友達でもなかった。ふたりの共通点は、同じ男性の愛人であること。「この日々が永遠じゃないことはわかっている。けれど、永遠なんて、どこにもないのだから、それで構わない」。そう割り切って始めたはずの奇妙な共同生活。だが、食事をともにする機会を重ねるうち、奏絵は、まひるとの生活を、大切なものへと思い始めている自分に気づく――中華風スープ、冷やし豚しゃぶ、ビーフシチュー、桃、ピーナツバターとツナのサンドイッチ、オムライス、そうめん、納豆汁、お粥――恋敵と食べるごはんは、どうしてけっこう美味しいんだろう。愛しすぎることも、憎みすぎることもできないふたりの生活を、丁寧な筆致で描く。大ヒットとなった小説集『ハニー ビター ハニー』以後、小説家として活躍の幅を広げ続けてきた著者が満を持して放つ、初の本格長編小説。
何だか最近不倫している人が主人公の本が続いているのだけど…偶然です。
でも、読むたびに思うのだけど、いつか別れるって言ったってほとんど別れることはないのにどうして付き合ったりするんだろうな〜。どす黒い感情が心に燻ぶるのは分かっているのに…といってもどうしようもないのかな。好きになったら。
奏絵の意外と淡白な感じは好きでした。高級マンションにタダで住んで、お小遣いももらっているのに働いているっていうのもまだ自我があるんだなと思ったというか…
平井さんの事が好きなことに変わりはないと思うけど、結ばれないって分かっているんですよね。この生活が長く続くとも思っていなくて。変に夢も見ていなくて。
でも、それもさびしいですよね。
だから、まひるのとある事件を機に動き出して良かったと思います。
ただ、動き出し方が行先不安で大丈夫なの?とも思ったけど。
出てくる料理達がとても美味しそうでした。私は食べ物の方が印象に残っていたりして。
〈幻冬舎 2012.4〉H24.8.10読了