黒猫の接吻あるいは最終講義
著者:森晶麿
早川書房(2012-05-24)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
オススメ!
黒猫と付き人がバレエ『ジゼル』を鑑賞中、ダンサーが倒れるハプニングが発生した。
五年前にも同じ舞台、同じ演目で、バレリーナが死亡する事件が起きていた。
ガラスアーティストの塔馬から聞いた黒猫の過去と、二つに事件の関連を気にする付き人。
しかし何やら隠し事をしているらしい黒猫は、関わらないよう忠告するだけだった
仕方なく付き人は一人で事件に挑むが…
ジゼル、ガラスアート、ポオを絡め、二度の事件を結ぶ図式が見えたとき、黒猫の最終講義が始まる――。
やだー!も〜面白い〜!
…失礼いたしました。取り乱しました。
「黒猫の遊歩あるいは美学講義 森晶麿」の続編です。そして初の長編です。
再び黒猫と付き人が登場します。始めはバレエの会場から。付き人が珍しくドレスアップして、その姿を見て黒猫が笑うという…何だか相変わらずな二人。
舞台の第一幕の最後でアクシデントが起こり、そのまま舞台は中止に。
大きな事件にはならなかったが、塔馬と出会った事で付き人は黒猫の過去が気になり、次の日塔馬に会いに行くことに。付き人は段々、事件と5年前の出来事に巻き込まれていきます。そして黒猫の過去も少しずつ分かっていきます。
まず綺麗な文章に引き込まれます。文章が良くて美しいと思います。森さんの作品は2冊目なのですが、何だか文章に気品を感じるんです。それは物語の内容もあるのかもしれないのですが。文章が綺麗と言うのも私の中では大きかったです。
事件に巻き込まれ、塔馬と関わったことで逃げられなくなった付き人は一人で調査に挑みます。するといろんな人がいろんな形で絡み合っていくことが分かります。それもまた面白くてどんどん物語に引き込まれていきます。
相変わらず黒猫の講義は難しいし、ポオの作品は全く読んでいないのでその結びつきが分からなかったのが残念でしたけども、それでも面白かった。
今回は付き人が健闘したんじゃないかなと思います。散々利用されたけど。痛い目も見たけど。
それにしても真相は分かったけど、何ともスッキリしないというかモヤモヤ感が残りました。愛美がいろんな渦巻いているものに利用されて巻き込まれて死んでしまって。
1番純粋で、利用されていたのは愛美だったんですよね。素直にバレエを愛していたのに。悲しかったです。
そして更なる悲しい出来事が。
悲しいのかな。それは一つの踏み台なのかな。
何だかもう続編が出ない感じなのが悲しいですが、黒猫も付き人も前を踏み出しているのだから、あまりとやかく言っちゃいけないですね。
また2人に逢えるのを楽しみにしています。
〈早川書房 2012.5〉H24.6.4読了
著者:森晶麿
早川書房(2012-05-24)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
黒猫と付き人がバレエ『ジゼル』を鑑賞中、ダンサーが倒れるハプニングが発生した。
五年前にも同じ舞台、同じ演目で、バレリーナが死亡する事件が起きていた。
ガラスアーティストの塔馬から聞いた黒猫の過去と、二つに事件の関連を気にする付き人。
しかし何やら隠し事をしているらしい黒猫は、関わらないよう忠告するだけだった
仕方なく付き人は一人で事件に挑むが…
ジゼル、ガラスアート、ポオを絡め、二度の事件を結ぶ図式が見えたとき、黒猫の最終講義が始まる――。
やだー!も〜面白い〜!
…失礼いたしました。取り乱しました。
「黒猫の遊歩あるいは美学講義 森晶麿」の続編です。そして初の長編です。
再び黒猫と付き人が登場します。始めはバレエの会場から。付き人が珍しくドレスアップして、その姿を見て黒猫が笑うという…何だか相変わらずな二人。
舞台の第一幕の最後でアクシデントが起こり、そのまま舞台は中止に。
大きな事件にはならなかったが、塔馬と出会った事で付き人は黒猫の過去が気になり、次の日塔馬に会いに行くことに。付き人は段々、事件と5年前の出来事に巻き込まれていきます。そして黒猫の過去も少しずつ分かっていきます。
まず綺麗な文章に引き込まれます。文章が良くて美しいと思います。森さんの作品は2冊目なのですが、何だか文章に気品を感じるんです。それは物語の内容もあるのかもしれないのですが。文章が綺麗と言うのも私の中では大きかったです。
事件に巻き込まれ、塔馬と関わったことで逃げられなくなった付き人は一人で調査に挑みます。するといろんな人がいろんな形で絡み合っていくことが分かります。それもまた面白くてどんどん物語に引き込まれていきます。
相変わらず黒猫の講義は難しいし、ポオの作品は全く読んでいないのでその結びつきが分からなかったのが残念でしたけども、それでも面白かった。
今回は付き人が健闘したんじゃないかなと思います。散々利用されたけど。痛い目も見たけど。
それにしても真相は分かったけど、何ともスッキリしないというかモヤモヤ感が残りました。愛美がいろんな渦巻いているものに利用されて巻き込まれて死んでしまって。
1番純粋で、利用されていたのは愛美だったんですよね。素直にバレエを愛していたのに。悲しかったです。
そして更なる悲しい出来事が。
悲しいのかな。それは一つの踏み台なのかな。
何だかもう続編が出ない感じなのが悲しいですが、黒猫も付き人も前を踏み出しているのだから、あまりとやかく言っちゃいけないですね。
また2人に逢えるのを楽しみにしています。
〈早川書房 2012.5〉H24.6.4読了
でも、スピンオフ作品を掲載しているくらいだから、またちょこちょこと書きためて一冊にまとまるんじゃないのかなーと期待してます。
黒猫があの場所に行ってしまった後のお話も気になるし。付き人ちゃんもそのうち乗り込んで行きそうですよね(笑)。
この方のこのシリーズ以外の作品も読んでみたいです。以前出したやつはラノベっぽくていまいちらしいですけど^^;;