気分上々気分上々
著者:森 絵都
角川書店(角川グループパブリッシング)(2012-03-01)
販売元:Amazon.co.jp
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「ウエルカムの小部屋」誰もが羨む人物と婚約を決めていたのに自称発明家を選んだ私。誰もが反対した。多分自分も、魔が差したのだ。
「彼女の彼の特別な日 彼の彼女の特別な日」元彼の結婚式の帰りにバーに寄った彼女と祖母の四十九日の帰りにバーへ寄った彼。
「17レボリューション」千春は自分革命を起こすため、まずは親友のイヅモと絶交宣言をした。これからは付き合う相手を選ぶのだ。
「本物の恋」「恋のトビラ」に載せているので割愛。
「東の果つるところ」わたしはあんたを産んだ後そばにいられないと思う。だから、あなたが15歳になったら読んでもらえるように手紙を託します。
「本が失われた日、の翌日」ある日書店へ行くと、本は昨日付けでなくなりましたと言われる。
「ブレノワール」「チーズと塩と豆と」に載せているので割愛。
「ヨハネスブルクのマフィア」会社が倒産し、やけになって海外旅行へ行くことにした。予防接種を受けるため長い時間待っていると、近くで洋書を読んでいる男性を見つける。彼は1時間半もの間同じページを開いていた。
「気分上々」柊也は4か月前に父親を亡くし、死の直前に残した言葉に縛られあまり話さない子になってしまった。幼馴染の依林(イーリン)にも嫌われたような気がしていた。

短編集です。森さんって作家生活20周年なんですね。おめでとうございます^^
雑誌などに収録されていた短編をまとめたものだそうです。
だから読んだことのある作品もありました。「本物の恋」は相当前に読んだので最初気づかなかったのですが、オチを読んで読んだことがある!と気づいた次第。遅すぎ^^;
どの作品も面白かったです。今でいうヤングアダルトを書いていた森さんの作品と似ているようで違いますよね。ちょっと寂しいようなでも新鮮で嬉しいような。どっちの感情もあるみたいです。
森さんは中学生は良く書いていたけど高校生を書いたのが初めてだったと書かれていたのがビックリでした。でも、確かに高校生はなかったかも…イヅモちゃんが私は大好きになりました。友達にほしい〜。何か雑念が入っちゃったら言葉で斬り刻んでほしい^^;
「気分上々」も良かったです。父親を失って自分では変わっていないつもりでもどこか縛られていたりしますよね。依林のお母さんが素敵でした。そして柊也もとてもいい子。私は真っ直ぐな男の子好きです。

<角川書店 2012.3>H24.4.10読了