
著者:加藤 千恵
河出書房新社(2011-10-20)
販売元:Amazon.co.jp
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さっきまで俺に向けてた唇で今どんなふうに笑っているのーー恋する想いは、今も昔も変わらない。みやびな20首の“恋うた”から生まれた現代の恋物語。せつなさあふれる恋愛小説集。
紫式部、和泉式部、式子内親王、藤原定家、在原業平、菅原道真……和歌に込められ様々な想いが、千年の時を超えて、今、20のラブストーリーに生まれ変わる。天才歌人にして『ハニー ビター ハニー』の人気恋愛小説家・加藤千恵が贈る、話題作!
平安時代に作られた和歌の意味を踏まえて現代版の小説で描かれていました。
不思議ですね、何百年も前に書かれている和歌なのに、意味を現代風に捉えたら全然違和感を感じないんですから。凄いです。
一方的な愛に関するものは読んでいて切なかったです。どうして一方的なのに自分を抑えてその人の側にいようとするんだろう・・・。私には、その気持ちは分からない。昔はそうだったような気もするけど、今は結構自分は淡白な気がする。もし、恋愛をしたらこの気持ちが変わるんだろうか。
女子高生の中学生の時とは違う変化について書かれた作品も2編ありましたが、これも違う意味で切なかった。ずっと仲の良かった友達。でも、学校が変わったら閉鎖された空間だしどうしても疎遠がちになっちゃうんですよね。新しい生活に慣れる人、以前の生活がいとおしく感じる人、それぞれですよね〜。うんうん、分かるなぁと思って読んでいました。
最後に読まれる著者さんの和歌も好きでした。
個人的に西行法師の和歌があったことが嬉しかったです。ちょうど「平清盛」を見ているもので。
<河出書房新社 2011.10>H24.3.22読了
千年も前に作られた和歌なのに、現代の小説となっても違和感を感じないっていうのは新鮮な驚きでしたねー。人を想う気持ちはずーっと変わらないってことなんでしょうね。
和歌と小説のコラボが合っていて良かったです!