脳を創る読書脳を創る読書
著者:酒井 邦嘉
実業之日本社(2011-12-17)
販売元:Amazon.co.jp
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電子書籍化が進む今、やはり従来の「紙の本」がよいのか、それとも、時代の当然の要請として「電子書籍」がよいのか。
これについては、意見が分かれるところである。
本書では、『言語脳科学』の第一人者が、その問いに学究的な視点から真摯に答えている。
脳の特性と不思議を説き、読書が脳に与える影響に言及しつつ、実際に「紙の本」と「電子書籍」を使って読書した場合の脳の反応について解説する。
紙の本も電子書籍も、結局は「使う側」の意識がカギを握っているとしながらも、著者が人にとっての「紙の本」の重要性を強調し、加えて、学校教育の一つの提案である「電子教科書」について、その安易な移行に警鐘を鳴らす理由とは? 
紙の本」の風合い・質感・活字の存在感をこよなく愛する人も、「電子書籍」の簡便さに魅了されている人も必読の、脳と読書の意外な関係。

私は電子書籍を頭ごなしに否定するわけではありませんが、読むものすべてを電子書籍にするのは間違っていると思います。紙の本がなくなることはないと思ってます。
以前新聞社へ見学に行ったとき、記事を校閲していた人が言っていました。昔は紙面を見て誤字脱字を確認していたけれども、今はスキャンしてパソコン越しに確認していると。パソコンに変わってからのほうが誤字脱字を見つけられないことが多いと。
本にも書かれていますけど、手紙をボールペンで書いていたら間違っちゃいけないと思って注意深く書こうとしますよね。でも、メールは間違えてもすぐに消せるからあまり間違っちゃいけないという意識がない。
それは本を読む・本を読んで勉強をするという行為も同じだと思います。
新聞社の方が言っていることが本当ならば、教科書等も電子書籍にしてしまったら、頭に言葉が残らないと思うんですよね。自分で書くという行為をしないとなかなか私は頭に入らないのですが…今はどうなのでしょう。
以前著作権の本の時も書きましたが、今は電子機器の発達により、著作権についても様々な問題が出ていると思います。コピーが簡単にできるようになって、パソコンをいじっていて簡単にコピペできるようになりました。複写は著作権のあるものをコピーするんですから、それを利用するというのはそれなりに責任があるのに。それが希薄になっているんですよね。それは図書館に勤めていると結構直面する問題で。それでクレームになることもしばしば。ホント難しいです。
ちょっと本の話題とそれちゃいましたが、脳と読書を結びつけるなら、私も著者さんと同じように紙の本の方が脳に刺激されるような気がします。私も電子教科書はちょっとどうかなと思います。

<実業之日本社 2011.12>H24.2.22読了