探偵・日暮旅人の贈り物 (メディアワークス文庫)探偵・日暮旅人の贈り物 (メディアワークス文庫)
著者:山口 幸三郎
アスキーメディアワークス(2011-10-25)
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目に見えないモノを“視る”能力を酷使し、倒れた旅人。陽子と灯衣は夜通し看病するが、2人が目覚めた時、旅人の姿は消えていた。陽子たちが心配する中、旅人は感覚を失うきっかけとなった刑事・白石に接触していた。そんな時、白石の息子が誘拐される。それを旅人の仕業だと踏んだ白石は、陽子を連れ去るという暴挙に出て!?果たして探偵・日暮旅人は『愛』に触れることができるのか。灯衣と母親の物語『愛の旅』を含む全4編を収録した、感動のシリーズ完結巻。

ずっと待ち望んでいたシリーズ最終巻。でも、すべてが分かって読み終えた時、やっと全部わかってよかったというのが半分。終わっちゃうんだと思ったのが半分かな。
1冊目からずっとハラハラドキドキしながら読んでいましたが、ようやく旅人の過去についての全貌が明らかになりました。
ただただ、可哀相としか思えない。同情なのかなんなのかはわかりませんが、どうして旅人と旅人の両親があんな目に合わなければならなかったのでしょう。旅人のお父さんはとても実直で素晴らしい人だったと思います。その人を人と思わず利用して踏みにじる。そこのくだりは読んでいてイライラしました。
陽子は凄いですね。強い。とても強い女性です。とっさにあんな行動は出来ないと思います。普通の何気ない幸せとは少し違うかもしれないけど、陽子は旅人の側にいるべき人だと思いました。
灯衣のお母さんのことも出てきましたね。お母さんの正体に本当にびっくりしました。
何だかすべての人が一つにつながっているみたいですね。
1巻から3巻までを読んでいるときは真相が知りたくてしょうがなかったのに、いざわかっちゃうと喪失感ばかりが付きまといます。わがままですよね^^;
どこかで旅人や灯衣や陽子やユキジが平凡だけど幸せな生活をしていることを願っています。

<アスキーメディアワークス 2011.10>H24.1.23読了