少女病少女病
著者:吉川 トリコ
光文社(2011-08-17)
販売元:Amazon.co.jp
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この家には男はいない。ぶっ飛んでいる少女小説家の母・織子と、父親の違う三人の娘たち。「このまま一生処女で終えるのだろうか」と長女・都。「結婚を逃げ道にしている」「と次女・司。「欲しいばかりで、与えるより与えられたい」と三女・紫。四人の女たちが、自分の中の「少女」と大人になることへの折り合いをつけたりつけられなかったりする、吉川トリコの現代版「若草物語」。

そうか、若草物語がモチーフだったのか(遅)
大きな屋敷に母親と三人の娘が住んでおり、三人の娘は全員父親が違います。
家事の全般を長女の都がこなしています。都は32歳で1度も男性に振れたことがない。もう一生男性に触れることはないのではないかと思いつつも、王子様が現れてくれるんじゃないかという希望も捨てられない。
都のその夢見る夢子ちゃんの気持ちは物凄く分かって。あぁ、自分もやばいなと若干危機感を覚えました。心の中で思うくらいは良いかなぁ^^;
ただどこか現実離れしている姉妹だけどそれでもちゃんと現実的に考えている部分もあって。その現実部分を織子が乱してる感じでしょうか。
三姉妹はどこか現実離れしているけど共感できるところがあって、愛おしさも感じるのだけど、織子に関しては何一つ共感できなかった。香苗の言うとおり、妹のことも三姉妹のことも小説の一部くらいにしか思っていないんじゃないかなと思いました。妊娠に関しても復讐にしか感じなかったし。
でも、三姉妹に関してはそれぞれ幸せになってほしいと思いました。
私も都のように素敵な人に出会いたい。都が分かりやすく変わっていったところがまたかわいかったです。
でも、きっと男の人は何一つ共感できない内容なんだろうな…とも少し思う。

<光文社 2011.8>H24.1.22読了