おまえさん(上)
著者:宮部 みゆき
講談社(2011-09-22)
販売元:Amazon.co.jp
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おまえさん(下)
著者:宮部 みゆき
講談社(2011-09-22)
販売元:Amazon.co.jp
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<上>痒み止め薬「王疹膏」を売り出し中の瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の“ぼんくら”同心・井筒平四郎は、将来を期待される同心・間島信之輔(残念ながら醜男)と調べに乗り出す。その斬り口は、少し前にあがった身元不明の亡骸と同じだった。両者をつなぐ、隠され続けた二十年前の罪。さらなる亡骸…。瓶屋に遺された美しすぎる母娘は事件の鍵を握るのか。大人気“ぼんくら”シリーズ第三弾。あの愉快な仲間たちを存分に使い、前代未聞の構成で著者が挑む新境地。
<下>二十年前から続く因縁は、思わぬかたちで今に繋がり、人を誤らせていく。男は男の嘘をつき、女は女の道をゆく。こんがらがった人間関係を、“ぼんくら”同心・井筒平四郎の甥っ子、弓之助は解き明かせるのか。事件の真相が語られた後に四つの短篇で明かされる、さらに深く切ない男女の真実。
ネタバレあります
読むのに時間がかかりました。
久しぶりのぼんくらシリーズ第3弾。私「日暮らし」を読んでなかった!とこの本を予約した後に読み始めたのですが、上巻の半分まで読んですでに読んでいたことに気づきました^^;遅。
平四郎も弓之助も政五郎親分もおでこも大好きなので、また新刊で皆様に会えてうれしかったです。今回の事件は20年前の罪が関わる事件。
20年前の罪、そして現在。もういろんな人が絡んできて途中で誰が誰かわからなくなって混乱しました^^;皆様名前が似ているので…。
今回読んでいて思ったのは罪についてですね。20年前の罪。それは裁かれることはなかった。そしてひた隠しにして今まで今も続いている。罪を償わないことはいけないこと。でも20年ひたすら怯え、人のために尽くしてきた人たちは罪を全く償っていないとは言えないのではないか…。もちろん人を殺してはいけないのだけど。
この本は上下巻だけど、長編が1本と短編が4本で、長編の最後の締めの合間に短編でそれぞれのかかわった人たちのことが書かれているという感じでしょうか。
犯人以外で印象的だったのはおでこの母親のおきえでした。初めは自分さえよければいいのか。なぜおでこの名前を出さないのかと政五郎と同じように腹が立ったのだけど、そんな簡単な女性ではありませんでしたね。おでこを手放した理由も切なかったです。この時代は結婚相手を選べる時代じゃありませんものね。そして縋った相手が逃げてしまった。たくさんの絶望を味わったと思います。最初は嫌いでしたけど、最後はちゃんと生き抜いてほしいと思ってしまいました。
そして信之輔。言っちゃ悪いですが哀れでした。独りよがりの行為だし、感情的になりすぎてロマンチストすぎたのかななんて思ってしまった。意外と女性の方が非道だったりしますしね。史乃は小さなころから親のことで疑ったり絶望したりして、他の同世代の女性よりも特にそうだと思います…。純粋すぎて純粋すぎるからか引きずりすぎだし。でも最後にはちゃんと大人な顔になったようで良かったです。
最後は切なかったですけど、でも罪は罪ですから。勝手な正義感で勝手に成敗して。人もたくさん傷つけて。それでも孤独な老人の世話をする。人は分からないですね。
何だか何を書いているか分からなくなってきましたが。
面白かったです。相変わらずの弓之助の推理が光っていましたね。おでことのコンビもサマになってきました。まだまだ小さいと思っていましたけど、もう14歳ですか。そろそろ養子にするなら考えたほうが良いと思うんですけど。
弓之助のお家騒動も出てきてそれをきっかけにそういう話にもなるかと思ったらならなかったですし。奥さんも弓之助も弓之助の親もその気なんですから、良いんじゃないですかね。
弓之助の兄弟もなかなか面白かったです。太一郎も淳三郎も色男なんですね。でも、弓之助だけ五が入っていないから最初から養子とか親は考えていなかったのかなとか、全然関係ないことも思いました。
弓之助が養子になって立派になるまでは、このシリーズが続いて行ってほしいなと思います。
〈講談社 2011.9〉H24.1.14読了
著者:宮部 みゆき
講談社(2011-09-22)
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おまえさん(下)
著者:宮部 みゆき
講談社(2011-09-22)
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<上>痒み止め薬「王疹膏」を売り出し中の瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の“ぼんくら”同心・井筒平四郎は、将来を期待される同心・間島信之輔(残念ながら醜男)と調べに乗り出す。その斬り口は、少し前にあがった身元不明の亡骸と同じだった。両者をつなぐ、隠され続けた二十年前の罪。さらなる亡骸…。瓶屋に遺された美しすぎる母娘は事件の鍵を握るのか。大人気“ぼんくら”シリーズ第三弾。あの愉快な仲間たちを存分に使い、前代未聞の構成で著者が挑む新境地。
<下>二十年前から続く因縁は、思わぬかたちで今に繋がり、人を誤らせていく。男は男の嘘をつき、女は女の道をゆく。こんがらがった人間関係を、“ぼんくら”同心・井筒平四郎の甥っ子、弓之助は解き明かせるのか。事件の真相が語られた後に四つの短篇で明かされる、さらに深く切ない男女の真実。
ネタバレあります
読むのに時間がかかりました。
久しぶりのぼんくらシリーズ第3弾。私「日暮らし」を読んでなかった!とこの本を予約した後に読み始めたのですが、上巻の半分まで読んですでに読んでいたことに気づきました^^;遅。
平四郎も弓之助も政五郎親分もおでこも大好きなので、また新刊で皆様に会えてうれしかったです。今回の事件は20年前の罪が関わる事件。
20年前の罪、そして現在。もういろんな人が絡んできて途中で誰が誰かわからなくなって混乱しました^^;皆様名前が似ているので…。
今回読んでいて思ったのは罪についてですね。20年前の罪。それは裁かれることはなかった。そしてひた隠しにして今まで今も続いている。罪を償わないことはいけないこと。でも20年ひたすら怯え、人のために尽くしてきた人たちは罪を全く償っていないとは言えないのではないか…。もちろん人を殺してはいけないのだけど。
この本は上下巻だけど、長編が1本と短編が4本で、長編の最後の締めの合間に短編でそれぞれのかかわった人たちのことが書かれているという感じでしょうか。
犯人以外で印象的だったのはおでこの母親のおきえでした。初めは自分さえよければいいのか。なぜおでこの名前を出さないのかと政五郎と同じように腹が立ったのだけど、そんな簡単な女性ではありませんでしたね。おでこを手放した理由も切なかったです。この時代は結婚相手を選べる時代じゃありませんものね。そして縋った相手が逃げてしまった。たくさんの絶望を味わったと思います。最初は嫌いでしたけど、最後はちゃんと生き抜いてほしいと思ってしまいました。
そして信之輔。言っちゃ悪いですが哀れでした。独りよがりの行為だし、感情的になりすぎてロマンチストすぎたのかななんて思ってしまった。意外と女性の方が非道だったりしますしね。史乃は小さなころから親のことで疑ったり絶望したりして、他の同世代の女性よりも特にそうだと思います…。純粋すぎて純粋すぎるからか引きずりすぎだし。でも最後にはちゃんと大人な顔になったようで良かったです。
最後は切なかったですけど、でも罪は罪ですから。勝手な正義感で勝手に成敗して。人もたくさん傷つけて。それでも孤独な老人の世話をする。人は分からないですね。
何だか何を書いているか分からなくなってきましたが。
面白かったです。相変わらずの弓之助の推理が光っていましたね。おでことのコンビもサマになってきました。まだまだ小さいと思っていましたけど、もう14歳ですか。そろそろ養子にするなら考えたほうが良いと思うんですけど。
弓之助のお家騒動も出てきてそれをきっかけにそういう話にもなるかと思ったらならなかったですし。奥さんも弓之助も弓之助の親もその気なんですから、良いんじゃないですかね。
弓之助の兄弟もなかなか面白かったです。太一郎も淳三郎も色男なんですね。でも、弓之助だけ五が入っていないから最初から養子とか親は考えていなかったのかなとか、全然関係ないことも思いました。
弓之助が養子になって立派になるまでは、このシリーズが続いて行ってほしいなと思います。
〈講談社 2011.9〉H24.1.14読了
『おまえさん』ホント長かったですよね。
でもこんなに長いのに退屈しないどころか
夢中になって読めるのはさすが宮部さんです!
登場人物の多さがすごいですよね(へへ;
人物相関図が付いていたので助かりました。
時代物としてもミステリとしても
大満足の作品でした♪