黒猫の遊歩あるいは美学講義
著者:森 晶麿
早川書房(2011-10-21)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
オススメ!
日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
第一話「月まで」モルグ街の殺人事件
ポオ研究者である私は黒猫とあだ名される若き大学教授の付き人も任されている。私が自宅で見つけたのは手書きの地図。だがそれは自分と母親の住むマンションなど、実在の建物や地名が書かれているにもかかわらず、その配置が合っていない。黒猫に相談してみるが・・・
第二話「壁と模倣」黒猫
3年前の大学3年生の時。同級生のモナミの発案で関俣の別荘へ行くことになった。関俣が別荘で見せる姿がいつもと違うような違和感を覚える。みんなが着いたというのに関俣は本を読みだし、ピアノを弾きだした。途中でモナミは女性の声が聞こえると言い出した。
第三話「水のレトリック」マリー・ロジェの謎
私は黒猫の知り合いの香水職人であるいろはの店へ行った。いろはは様々な香水を作っているのだが、先日川で出会った男性について相談したいことがあるという。彼が求めた「紅」という香水を作り渡したのだが、気になることがあるのだという。彼の名は柚木と言い、私も知っている名前だった。
第四話「秘すれば花」盗まれた手紙。
学会に来るはずだった黒猫の知り合いである井楠教授は姿を見せず、代わりに別の男が来ていた。世阿弥の研究者「前野世舟」。K寺の住職であり、井楠教授の大学院時代の恩師。そして黒猫の叔父だった。
第五話「頭蓋骨のなかで」黄金虫
私は近くの席で不思議な会話をしている男性の声を聞く。黒猫によるとその人は映画監督の柄角という男だった。彼には噂があり、謎の詩人織条富秋と同一人物と言われている。黒猫の姉冷花ともかかわりがあるらしい。
第六話「月と王様」大鴉
ポウの大鴉という作品はギリシャの音楽と深いかかわりがあるのではないかと感じた私はその専門家である郷田先生の住む倉庫へ向かった。会話をしている途中で音楽が流れ始めた。その音楽を聴いてから郷田先生の様子が変わる。
初読みの作家さん。第1回アガサ・クリスティ賞受賞作だそうです。
読み始めたときはエドガー・アラン・ポオの作品が絡んでくるということで難しいのかなと思いましたが、そんなことはなかったです。
ポオの作品の説明が各章の最初のページに書かれているので、この作品に絡んだミステリなんだなということが分かりますし、そのミステリ自体もとても面白かったです。
黒猫という青年の個性的なキャラクターがまたいい味出してます。猫って聞くと猫丸先輩がパッと思い浮かびましたが、また全然違います^^;
どの章のミステリも大きな事件などではなく、日常ミステリというのが1番近い気がします。
それでもその日常とポオの作品に関してが微妙に絡んでくるんですよね。それがとてもうまいです。読み慣れてくると今回はどう絡んでくるんだろうとワクワクしながら読みました。本当に面白かったです!
ちゃんと問題提起もされているので、何が謎なのか。何が真相なのかもちゃんと理解できると思います。黒猫は傍若無人ですが、ちゃんと真相について細かく教えてくれるのできちんと納得できました。
微妙に恋愛要素もあったりして^^それも好きでした。
いい年なのにこんな可愛らしい恋愛で良いのか?と思いましたが、私はこういう恋愛模様、好きです。
ホント面白かった!ほかの作品が出たらまた読んでみたいと思います!
〈早川書房 2011.10〉H23.12.1読了
著者:森 晶麿
早川書房(2011-10-21)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
第一話「月まで」モルグ街の殺人事件
ポオ研究者である私は黒猫とあだ名される若き大学教授の付き人も任されている。私が自宅で見つけたのは手書きの地図。だがそれは自分と母親の住むマンションなど、実在の建物や地名が書かれているにもかかわらず、その配置が合っていない。黒猫に相談してみるが・・・
第二話「壁と模倣」黒猫
3年前の大学3年生の時。同級生のモナミの発案で関俣の別荘へ行くことになった。関俣が別荘で見せる姿がいつもと違うような違和感を覚える。みんなが着いたというのに関俣は本を読みだし、ピアノを弾きだした。途中でモナミは女性の声が聞こえると言い出した。
第三話「水のレトリック」マリー・ロジェの謎
私は黒猫の知り合いの香水職人であるいろはの店へ行った。いろはは様々な香水を作っているのだが、先日川で出会った男性について相談したいことがあるという。彼が求めた「紅」という香水を作り渡したのだが、気になることがあるのだという。彼の名は柚木と言い、私も知っている名前だった。
第四話「秘すれば花」盗まれた手紙。
学会に来るはずだった黒猫の知り合いである井楠教授は姿を見せず、代わりに別の男が来ていた。世阿弥の研究者「前野世舟」。K寺の住職であり、井楠教授の大学院時代の恩師。そして黒猫の叔父だった。
第五話「頭蓋骨のなかで」黄金虫
私は近くの席で不思議な会話をしている男性の声を聞く。黒猫によるとその人は映画監督の柄角という男だった。彼には噂があり、謎の詩人織条富秋と同一人物と言われている。黒猫の姉冷花ともかかわりがあるらしい。
第六話「月と王様」大鴉
ポウの大鴉という作品はギリシャの音楽と深いかかわりがあるのではないかと感じた私はその専門家である郷田先生の住む倉庫へ向かった。会話をしている途中で音楽が流れ始めた。その音楽を聴いてから郷田先生の様子が変わる。
初読みの作家さん。第1回アガサ・クリスティ賞受賞作だそうです。
読み始めたときはエドガー・アラン・ポオの作品が絡んでくるということで難しいのかなと思いましたが、そんなことはなかったです。
ポオの作品の説明が各章の最初のページに書かれているので、この作品に絡んだミステリなんだなということが分かりますし、そのミステリ自体もとても面白かったです。
黒猫という青年の個性的なキャラクターがまたいい味出してます。猫って聞くと猫丸先輩がパッと思い浮かびましたが、また全然違います^^;
どの章のミステリも大きな事件などではなく、日常ミステリというのが1番近い気がします。
それでもその日常とポオの作品に関してが微妙に絡んでくるんですよね。それがとてもうまいです。読み慣れてくると今回はどう絡んでくるんだろうとワクワクしながら読みました。本当に面白かったです!
ちゃんと問題提起もされているので、何が謎なのか。何が真相なのかもちゃんと理解できると思います。黒猫は傍若無人ですが、ちゃんと真相について細かく教えてくれるのできちんと納得できました。
微妙に恋愛要素もあったりして^^それも好きでした。
いい年なのにこんな可愛らしい恋愛で良いのか?と思いましたが、私はこういう恋愛模様、好きです。
ホント面白かった!ほかの作品が出たらまた読んでみたいと思います!
〈早川書房 2011.10〉H23.12.1読了
紹介されてるポーの作品は読んでないものもいくつかあったので、きちんと読みたいな〜と思わされました^^;
続編是非出して欲しいですね!