マスカレード・ホテルマスカレード・ホテル
著者:東野 圭吾
集英社(2011-09-09)
販売元:Amazon.co.jp
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都内で起きた不可解な連続殺人事件。現場に残されたある手がかりから、次の現場が超一流のホテル・コルテシア東京と割り出された。容疑者もターゲットも不明のまま、警察は大胆にも潜入捜査を開始。やり手の刑事・新田浩介は一流のフロントスタッフ・山岸尚美とコンビを組むことに。そこへ、次々と怪しげな客たちがやってくる。
ターゲットは、そして犯人は誰なのか。
誰も予想しえなかった驚愕の真相とは?
東野圭吾史上最高に華麗な傑作長編ミステリ。

東野さん作家生活25周年企画第3弾。最後ですね。
『新ヒーロー誕生!』って銘打っているからこれから登場するのでしょうか。
登場するならもちろん新田さんですよね^^;って他に誰がいる。
一流ホテル・コルテシアで連続殺人事件の次の殺人現場になる可能性があるということで複数の刑事がホテルマンに扮し犯人を追うことになる。
そこでクラークを担当する新田の教育係?となったのが山岸尚美。
図書館で勤めていてもいろんなお客さんがいますけど、ホテルは高級な料金を払うということもあって本当にいろんなお客さんがいるんだろうなと読んでいて思いました。
この作品の中の状況は決して脚色しているわけじゃないんだろうなと思う。
山岸さんはこのホテルに勤めていることを誇りに感じていてそして仕事を本当に全うしていると思いました。私は旅行へ行くときは安いホテルしか泊まらないから多種多様なサービスを受けましたけど^^;ここの徹底振りは本当に凄い。特に彼女のお客様への対応は素晴らしかったです。柔軟に対応しているようで頑なな気もしましたけどね^^;
それでも信念が素晴らしかった。
新田は始め上から目線なのが物凄く気に喰わなかったのだけど、だんだん柔軟になっていきましたよね。山岸さんも物腰が少し柔らかくなったような気がして。いいコンビなんですね、きっと^^
作品は始めは読んでいて連作短編みたいだなと思ったんです。
目の見えない女性のお客さんや、ワケありな女性客、何故か新田にばかりいちゃもんをつける男性客。
でも、いろんな部分で伏線がしかれてあって、全てがなにかしら捜査に関わっているんですよね。流石東野さんです。
犯人も、犯人の目的も、誰が被害者となるのかも私は読めず。
なのでずっとドキドキしながら読みました。
新田の相棒?の能勢刑事がいい味出していました。
愚鈍そうという始めの印象とはまるっきり変わっていましたねぇ。
バックグラウンドが物凄く広くてフットワークがめちゃくちゃ軽い。
刑事の鑑ですね。
最後がちょっとニヤっとなってしまう感じでしたね。
シリーズ化するような売り出し方をしていますし、これからも新田刑事は登場するんでしょうね。
山岸さんとの関係がどうなって行くのかも楽しみです。

<集英社 2011.9>H23.10.6読了