チヨ子 (光文社文庫)チヨ子 (光文社文庫)
著者:宮部 みゆき
光文社(2011-07-12)
販売元:Amazon.co.jp
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「雪娘」前田あかりの家の留守電にかつての小学校の同級生からの声が入っていた。学校が統廃合されるからそれを機に会おうという。久しぶりに4人が集まったが、実際に仲がよかったのは5人グループだった。ユキコは、小学生の時何者かによって殺されたのだ。
「オモチャ」商店街の玩具屋のおばあさんが亡くなった。亡くなってしばらくしてから、おばあさんが実は殺されたのではないかと言う噂が立つ。おばあさんの夫がクミコの大叔父だったことから警察もやってきた。
「チヨ子」わたしはバイト代1日1万円につられてスーパーでバイトをすることに。内容は風船配りだったのだが、5年前に使ったままの着ぐるみを着なければならない。仕方なく着て鏡を見ると、その姿はくたびれたウサギの着ぐるみではなく、自分がかつて大事にしていたうさぎのチヨ子だった。
「いしまくら」町内会の回覧板で、公園の池で死体となって発見された女子高生が幽霊となって現れると言う噂が立ち、公園へ言った人の中で怪我をしている人もいるので立ち入らないようにと告げられていた。石崎の娘麻子はこの事件についてを調べたいという。
「聖痕」千川調査事務所に一人の男性が訪れる。12年前に自分の母親と内縁の夫を殺し、担任の先生に怪我を負わせ学校に立てこもった事件が発生した。その時の犯人である少年Aが自分の前妻との間に出来た子どもであるという。

宮部さんの新作。いきなりの文庫本って珍しいですよね。新作といっても、雑誌に掲載されていたもので、かなり前のものもありますが、面白かったです。
宮部さんの短編って数は多くないですけど好きです。
「雪娘」犯人が何となく最後読めてしまったのですが、切なくてちょっと怖い話でした。あの足跡は結局誰のものだったんでしょう。
「オモチャ」人の噂話が好きな人っていますよね。それが事実ならいいけどあることないこと言う人もいて。腹立つわ〜。切ない話でした。最後が救われたかな。クミコもお父さんも素敵な人ですね。
「チヨ子」「不思議の足跡」で読んでいたのですがすっかり忘れていたので読みました。読んだら思い出しました^^;このアンソロジーの中ではあったかい話で特によかったと思ってたんですよね。宮部さんには珍しい可愛らしいお話でした。
「いしまくら」まさかこんな展開になろうとは^^;始めは中学生の自由研究かって微妙に見下してたんですけど^m^お父さんがなんだかんだで娘のために頑張ったり、彼氏登場にイライラあたふたしてるのが可愛かったです。
「聖痕」始めは展開が面白くて、千川さんが息子さんに会った以降が好きになれなかった。何だか哀しかったです。

〈光文社 2011.7〉H23.8.18読了