虹色と幸運虹色と幸運
著者:柴崎 友香
筑摩書房(2011-07-09)
販売元:Amazon.co.jp
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どうするかなー、今後の人生。そろそろなにか決めなきゃいけないかも。そんな年頃の同級生3人。明日に向かって一歩ずつ。三人三様の一年間。

結婚や仕事など、ちょうどどうしようかなと思う時期、アラサーの3人が主人公です。
学校の職員として働く本田かおり。4つ年下で役者志望のフリーター準之助と同棲している。
イラストレーターの仕事をしている水島珠子。
雑貨店をオープンし、さらに3人の子供がいる春日井夏美。
3人は学生時代からの友人で、読めば読むほど性格も何もかもがバラバラという印象。
3人だと全然違う方が気が合うかもしれないですね。
3人称で語りがあり、結構細かく登場人物が入れ替わるので切り替えるのが大変だったけど、それでもだんだん読みなれてきました。
私ももうアラサーに近づいてきたので、同意できるところもあるだろうなと思い、読むのを楽しみにしていました。
30歳という年齢からの3人それぞれの心情はとても興味深かったです。共感できる部分もありました。
そこそこ仕事も中堅くらいになって、板ばさみになってるところとか結婚について考えるようになるとか、やっぱり女性にとって30歳って結構人生で大事な部分なのかな。
かおりのようにちゃんとした職についていて、自分のことは自分で出来るようになったら、もう自分の好きなようにやっちゃって良いと私は思うけどな。一生働いてもいいって思うなら。かおりのお母さんのような公務員のように堅実な人と結婚以外はない。っていう考え方はもう通用しないと思う。公務員だって安定しているけどどうなるか分からないし、安定を求めていたらこのご時世人なんて選べませんて。
もしかしたら準之助が大スターになるかもしれないじゃないか!って、それは言いすぎか^^;それでも、かおりのお母さんが準之助に言い放った言葉は許せません。
準之助はまだ若いんだから、夢を追い求めて良いと思う。自分で決めてることなんだし。それなのに今の状態だといわば赤の他人にどうしてそこまで言われなきゃいけないんだろう。そのシーンばかり強烈に残ってます。
うーん、上手く感想をいえていないですが。
女性にとってはいろいろ考えちゃう30歳という年齢だけど、自分が思うように行けば結果はいいんじゃないかなと思う。結婚や出産ももちろん理想的だけど、出来ないもんは出来ないし、したいなら求める努力をして、そこまで求めていないなら何かに没頭すれば良いと思う。あくまで私の意見ですが。
でも、私も割りとこういう風に前向きに考えられるようになったのは、転職したお陰なのかもしれない。前の職場にいる時にこの本を読んでいたら、未来なんて全然創造できなくて読み終えた後に落ち込んでいたかもしれない。
30歳まで約3年の私だけど(きゃー!)今のところは結婚もする予定もないし、彼氏も必要ないかなと思ってる。自分の時間を大切にしたいと思ってる。
以前は結婚話を聞くとあせってもいたけど、あせってもしょうがないし^^;
くる時はくる、来なければ残念っていうくらいで、今の心の状態は安定してるかなと思います。
でも、その考えは人によって様々だと思うので、やっぱり難しいですね〜^^;

〈筑摩書房 2011.7〉H23.7.28読了