蜷川幸雄の稽古場から (クルック)蜷川幸雄の稽古場から (クルック)
著者:蜷川幸雄
ポプラ社(2010-10-02)
販売元:Amazon.co.jp
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若い俳優の中に眠る未知の可能性を見出し、大きく育てる、蜷川幸雄の稽古場。新人の頃に、蜷川が抜擢し、花開いた10人の若手俳優が語る、蜷川演出の魅力とは。

蜷川幸雄という人物について、演出家として指導を受けた10人の若手俳優たちがそれぞれの想いを語ると言う本です。
出てくる俳優さんたちが好きな方ばかりだったので、読みたいとずっと思っていました。図書館に入っててラッキーでした。
どの人も言っていたのは、蜷川さんは親ですら言わずにいるようなことでも素直に言葉に出すと言う事、また誰よりも俳優陣の事、舞台のことを考えていると言う事ですね。
読んでいると結構皆さん酷い事を言われているようで^^;私だったらさっさと逃げて二度と姿を現さないような気がしてやはり俳優さんって凄いんだなぁと思いました。
そして、その厳しさの中に温かさも含まれているんだろうなということも読んでいてひしひしと伝わってきます。それが俳優に向けている愛情なんでしょうね。
この本で特に読みたかったのは勝地涼君でした。
私、勝地君大好きなんですよね。顔も好きだし、いつまでも純粋な演技をしているような気がします。結構宮崎あおいちゃんとの共演が多い気が。あまりバラエティに出ない人なので、素の感情を文章で知ることが出来て嬉しかったです。
勝地君のスカウト話を凄く覚えていて。勝地君のお母さんが働いている花屋で(実家?)「P.S.元気です。俊平」のロケがあって、見学をしていたら瀬戸朝香さんの事務所の人にスカウトされたっていう・・・。それをはなまるか何かで言っていて、「ドラマ見てたよ!」と興奮した記憶が^^;
あとは杏ちゃんや成宮君や藤原君や松さんも好きなので、読んでいて面白かったです。皆さん本当に若いときから蜷川さんの目に止まり、活躍されているんですね。
蜷川さんはテレビドラマもちゃんとチェックしてるんだなぁと思いました。
若い新人の起用って確かに難しいですよね。本番の1年くらい前にキャストを決めて、1年後その俳優がどうなっているかって未知数ですし。でも、周りの人が言っているように蜷川さんの作品に出演した人って皆有名になっていると思います。俳優さんそれぞれの持っている素質を引き出すのが上手いんだろうなと思います。
個人的な感想としては、寺島さんのくだりで「血は立ったまま眠っているの舞台稽古で蜷川さんとタメ口で話しているのを見て、剛君がビックリしてた」っていう文章が嬉しかったです^^実は名前が出てくる事を期待していました。ま、それだけだけど。
蜷川実花さんの撮られた写真も素敵でした。お孫さんと写っている蜷川さんは本当にじいさ・・・ゴホゴホ。写真の中の1枚で「血は立ったまま眠っている」のポスターがあったのですが、窪塚さん以外は見えず・・・。ちぇ。事務所許可が必要なのかしら。
俳優さんの演劇に懸ける想いもそれぞれで、でも皆同じように熱くて貪欲で前を向いていて、素敵でした。

〈ポプラ社 2010.10〉H23.4.15読了