からまる
著者:千早 茜
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-02-26)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
オススメ!
第一話「まいまい」
武生は地方公務員で役所で働いている。休日にする事と言えば寝る事ばかり。自分の部屋にある天窓が好きで、そこを寝床にしていた。最近家に来る女性がいる。名前も知らないその女性が側にいることが嫌ではなかった。
第二話「ゆらゆらと」
また男に振られた。田村は失恋すると必ず会う友達がいる。華奈子と言う名のその子は大学院に通っている。彼女だけは自分の話をずっと聞いていてくれる。今日もメールをしたら、会ってくれると返信が来た。
第三話「からまる」
私は休日は釣りに出かける。妻は私よりも忙しいので誘う事はない。また、2人の間に起きたあることが、そうさせていないのかもしれない。今日はどこかで見かけたことのある女子高生が向かいに座っていた。堤防に着くと、そこにも彼女はいた。
第四話「あししげく」
恵は珍しく台所に立ってケーキを作っていた。息子の蒼真のためだ。作っている時、自分が19歳だった時を思い出していた。水商売でバイトをしていた恵は自分の事を「小むかで」と呼ぶ篠田という男が大嫌いだった。
第五話「ほしつぶ」
自分は金魚を殺した。殺した事で先生や親に見当違いな質問や説教を受けた。自分が求めているものとは違っていた。自分がそうしたのは、幼馴染であり同じクラスの斉藤が原因だった。
第六話「うみのはな」
華奈子は男が嫌いで女の子が好きだと周りに言っている。友人の田村はそれを本気で捉えているようだった。華奈子が男を嫌いなのは、ただ1人の男がたまらなく憎いからだった。だから、実家にもあまり帰らずにいる。
第七話「ひかりを」
葛月は外来の終わった診察室に1人の老人が座っているのを見かける。その老人は大原と言う名で、病院内では有名人だった。
好きだ。この本、凄く好きだ。
千早さんの作品は、異世界のものでも童話物でも現代のものでも、何だか白濁とした水の中にいるような気がします。
多分、文章が好きなのだと思う。すっと入ってきて読みやすい。
物語も勿論良くて、この作品に出てくる人たちに好感が持てた。
どの人も感情の何かが抜けているようなそんな印象。
でも、生きている人はみんなそんなもんだろうなと読んでいて思ったり。
「からまる」っていうタイトルも好き。人の関係や感情が読んでいても絡み付いてくるみたいだった。
私、武生が割と好きでした。女の子を連れ込む癖以外だけど。
1人で何でもできるわけでもなく取り立てて意気込んでいるわけでもなく、めんどくさいって感じで生きてて。でも、多分内に秘めているものは割と熱いのかなと思う。
人間関係においてめんどくさくなくていいのかなと。
田村は実際に友達としていたらめんどくさいけど、本を読んでいる限りはグチを聴いて、抱きしめたいなと思った。
恵は始めは好きじゃなかったけど、昔の事を知ってちゃんと今は蒼真に愛情を注いでいる事もわかったし、お母さんをしてるんだなと思ったし。
子どもが求めている答えって、親は多分分からないと思う。でも、しょうがないよ。ただ、考えて言う事は違っても、ちゃんと愛情はあるんだってことをいつの日かわかればいいのかなと思ったりして。
強がりだけど素直じゃなくて心は実は弱い人ばかり。
多分、私もそうだから。だから好感が持てたし好きだって思えたのかも。
人の関わりってどこで繋がっているか分からないなぁとも思った。
大原さんはとても素敵な方でした。
私も生きる事の大切さを教えてもらえたように思う。
〈角川書店 2011.2〉H23.3.25読了
著者:千早 茜
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-02-26)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
第一話「まいまい」
武生は地方公務員で役所で働いている。休日にする事と言えば寝る事ばかり。自分の部屋にある天窓が好きで、そこを寝床にしていた。最近家に来る女性がいる。名前も知らないその女性が側にいることが嫌ではなかった。
第二話「ゆらゆらと」
また男に振られた。田村は失恋すると必ず会う友達がいる。華奈子と言う名のその子は大学院に通っている。彼女だけは自分の話をずっと聞いていてくれる。今日もメールをしたら、会ってくれると返信が来た。
第三話「からまる」
私は休日は釣りに出かける。妻は私よりも忙しいので誘う事はない。また、2人の間に起きたあることが、そうさせていないのかもしれない。今日はどこかで見かけたことのある女子高生が向かいに座っていた。堤防に着くと、そこにも彼女はいた。
第四話「あししげく」
恵は珍しく台所に立ってケーキを作っていた。息子の蒼真のためだ。作っている時、自分が19歳だった時を思い出していた。水商売でバイトをしていた恵は自分の事を「小むかで」と呼ぶ篠田という男が大嫌いだった。
第五話「ほしつぶ」
自分は金魚を殺した。殺した事で先生や親に見当違いな質問や説教を受けた。自分が求めているものとは違っていた。自分がそうしたのは、幼馴染であり同じクラスの斉藤が原因だった。
第六話「うみのはな」
華奈子は男が嫌いで女の子が好きだと周りに言っている。友人の田村はそれを本気で捉えているようだった。華奈子が男を嫌いなのは、ただ1人の男がたまらなく憎いからだった。だから、実家にもあまり帰らずにいる。
第七話「ひかりを」
葛月は外来の終わった診察室に1人の老人が座っているのを見かける。その老人は大原と言う名で、病院内では有名人だった。
好きだ。この本、凄く好きだ。
千早さんの作品は、異世界のものでも童話物でも現代のものでも、何だか白濁とした水の中にいるような気がします。
多分、文章が好きなのだと思う。すっと入ってきて読みやすい。
物語も勿論良くて、この作品に出てくる人たちに好感が持てた。
どの人も感情の何かが抜けているようなそんな印象。
でも、生きている人はみんなそんなもんだろうなと読んでいて思ったり。
「からまる」っていうタイトルも好き。人の関係や感情が読んでいても絡み付いてくるみたいだった。
私、武生が割と好きでした。女の子を連れ込む癖以外だけど。
1人で何でもできるわけでもなく取り立てて意気込んでいるわけでもなく、めんどくさいって感じで生きてて。でも、多分内に秘めているものは割と熱いのかなと思う。
人間関係においてめんどくさくなくていいのかなと。
田村は実際に友達としていたらめんどくさいけど、本を読んでいる限りはグチを聴いて、抱きしめたいなと思った。
恵は始めは好きじゃなかったけど、昔の事を知ってちゃんと今は蒼真に愛情を注いでいる事もわかったし、お母さんをしてるんだなと思ったし。
子どもが求めている答えって、親は多分分からないと思う。でも、しょうがないよ。ただ、考えて言う事は違っても、ちゃんと愛情はあるんだってことをいつの日かわかればいいのかなと思ったりして。
強がりだけど素直じゃなくて心は実は弱い人ばかり。
多分、私もそうだから。だから好感が持てたし好きだって思えたのかも。
人の関わりってどこで繋がっているか分からないなぁとも思った。
大原さんはとても素敵な方でした。
私も生きる事の大切さを教えてもらえたように思う。
〈角川書店 2011.2〉H23.3.25読了
おお〜〜5つ★ですね。
私も、この本とても好きでした。
千早さんの本は、まだ3冊しか読んでいないのですが、すっかりファンになっています。
次の作品も楽しみです☆
>千早さんの作品は、異世界のものでも童話物でも現代のものでも、何だか白濁とした水の中にいるような気がします。
します、します!
登場人物も、それぞれみんなに好感を持てたし、なんか彼女の世界というか・・綺麗な感じがして好きです。
何故かこちらには、いつもTB飛ばせないのでアドレス残させて下さいまし。
http://blog.goo.ne.jp/latifa/e/809350a3e994a83159310b4f40845fad