アンダスタンド・メイビー〈上〉アンダスタンド・メイビー〈上〉
著者:島本 理生
中央公論新社(2010-12)
販売元:Amazon.co.jp
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アンダスタンド・メイビー〈下〉アンダスタンド・メイビー〈下〉
著者:島本 理生
中央公論新社(2010-12)
販売元:Amazon.co.jp
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「おまえは俺のこと、見つけられるって」少女は踏み込んだ、愛と破壊の世界へ。デビュー10周年記念書き下ろし作品。

実は読んで40ページくらいで挫折しそうになって読むのをやめようかと思ったのですが、島本さんの作品だし、デビュー10周年の書き下ろしだしやめちゃダメだ。と思って頑張って読んだのですが、私には「頑張って」読んだという感想が1番近いと思いました。
まず上巻は主人公の黒江の言動がいちいち気に入らないというか突っ込みまくっていてハラハラして終わった気がします。
彌生君と付き合い始めたのは良かったんだけど、それ以降の男性遍歴やら何やらかんやらが本当に信じられなくて、お前は何がしたいんだ!とひたすら突っ込んでました。特に賢治なんて、付き合うほうがどうかしてる。数ヶ月ほっとかれて連絡が来てそれでさよならすれば良かったのに、のこのこついていくし。あれは末路がどうなるか、黒江以外の読者はみんな分かったと思う。
ダメ男の次はダメ女なのか!?と思ったのだけど、最終的にはダメ男からこの物語は始まっているんだなと思ったし、黒江が何か大きなトラウマを抱えているのは分かっていたけどちゃんと最後まで理解できた時は、精神的にもろい理由も分かったのだけど。
それでも。
作品の中でも書かれていたけど、彌生君も浦賀さんも完璧な人間じゃないし、ましてや彌生君なんて同級生じゃないか。
いろいろ抱えていたとしても、黒江を丸ごとひっくるめて守るなんて無理だと思う。
黒江の辛い過去も分かるけど、男性を翻弄しすぎ。本当に自分の事しか考えていないのだと思う。
何だか最後までもやもや感が残ってしまいました。
すみません、辛口で。
始めから彌生君とずっと付き合っていたらよかったのに。
それじゃ、物語にはならないのだけど。
そういえばクロエって前にやった何かのゲームのキャラクターでいたなぁ。忘れてしまったけど。

〈中央公論新社 2010.12〉H23.1.28読了