ラプソディ・イン・ラブラプソディ・イン・ラブ
著者:小路 幸也
PHP研究所(2010-10-21)
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ろくでなしでも、世間は名優と呼んでくれる。役者とはそういう職業だ。山と海に囲まれた、とある町の古い日本家屋。かつてそこは、日本の映画界を支えてきた笠松市朗が、愛する家族と過ごした家だった。笠松の息子、俳優・園田準一、笠松の前妻であり女優だった園田睦子、そして人気俳優で、笠松の二番目の妻との間に生まれた岡本裕。岡本の恋人である、人気女優の二品真里。バラバラになっていた彼ら五人が笠松の家に集まった。彼らの葛藤と思いが交錯するドラマの幕がいま開く。みな役者という彼らが、ひとつ屋根の下展開していくドラマ。「ラプソディ・イン・ラブ」――監督、紺田がつけたタイトルだ。彼らの言葉は、台詞か、真実か……。「東京バンドワゴン」シリーズの著者が描く家族の肖像。

俳優の家族のそのままを描いた映画を作ると言うコンセプト。会話などを普通に録るのだけど、唯一つ条件があり、みんななにかしらの「爆弾」を持つことが必須。
その「爆弾」がいつ投下されるのか、また投下されたら家族はどう対応するのか。全て彼らの演技にかかっている。
彼らは今演じているのか素なのか。読んでいてどんな展開になっていくのか楽しみで、あっという間に読んでしまいました。
1本の映画を見ているようでした。
一つの家族の形なのだけど、みんな演技をしていて探り合いをしているっていうのが凄いですよね。
カメラが回っていればもうみんな俳優。
家族だから素の部分も見せるけど、完全な素ではないと言いますか・・・。
少し複雑な家族の関係だったけど、それぞれの家族への愛を感じました。
特に、睦子さんの無償の愛が素晴らしくて。
別れて、すでに新しい旦那さんがいるにもかかわらず、かつて愛した人の最期を看取ろうとしたり。
真里との会話の部分は本当に嫁と姑のようでした。
真里の血の繋がった家族は愛は必要ないと思う。切り捨てる事も、時と場合によっては必要だと思うし。子どもは、親の所有物ではないからね。
そんな真里の過去を、言い方は悪いけど一切血の繋がっていない睦子は受け入れ、愛で包んでくれていたような気がします。
本当の家族の愛を、真里は手に入れる事が出来たのだと思います。
にしても笠原と睦子の爆弾が凄すぎて驚きました。
たけど、そんなに違和感があるわけでもぶっ飛んでいるわけでもなく。
そのストーリーもまさしく映画のよう。
それでも、家族が全てを受け入れているのが素敵でした。
まあ、ある意味準一と裕の爆弾も驚きではあったけど。
小路さんの作品は本当に良いですね。読んだ後に、温かい気持ちになります^^

〈PHP研究所 2010.10〉H22.12.20読了