あんじゅう―三島屋変調百物語事続
著者:宮部 みゆき
中央公論新社(2010-07)
販売元:Amazon.co.jp
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さあ、おはなしを続けましょう。三島屋の行儀見習い、おちかのもとにやってくるお客さまは、みんな胸の内に「不思議」をしまっているのです。ほっこり温かく、ちょっと奇妙で、ぞおっと怖い、百物語のはじまり、はじまり。
「逃げ水」
少年平太は山奥のお寺の中でおかっぱ頭のかわいらしい少女を見つける。彼女はお旱さんといって神様なのだそう。彼女の言うとおりに行動をしたら彼女の拘束が解けたらしく、平太におぶさる形でくっつくようになった。それ以来、平太の近づくところでは水がなくなるようになる。
「藪から千本」
三島屋のお隣、住吉屋の一人娘のお梅が嫁ぐ事になった。複雑な事情でお梅は家の外に出たことがほとんどなかった。祝言の日、白無垢を着ていたのは顔に痘痕がある別人だった。住吉屋には亡き姑の呪いがかかっており、それが原因なのだと言う。
「暗獣」
新太立ちの通う手習所の若先生である青野利一郎が黒白の間にやってきた。それは若先生の師がからんでいる事なのだという。空き家だった紫陽花屋敷と呼ばれる場所に、師匠夫妻は住むようになるのだが、そこで暗獣と呼ばれるものがいた。師匠夫妻は「くろすけ」と名づけ、次第に打ち解けあうようになった。
「吼える仏」
手習所の偽坊主、行然坊がかつて修行していた寺を抜け出し、旅をしていたときのこと。山奥の村では普通では考えられない風習が行われていた。そして囚われていた男性にまつわる重大な出来事に出くわした。
「おそろし」の続編ですね。
おちかが三島屋に奉公に来て、まだ数ヶ月しか経っていないんですね。何だかもう暫く経っている様な気がするくらい、なじんでいますね。
というかこのお話は100いくまで続くんでしょうか?・・・う~ん。それはないかなぁ。どうなんでしょう。
三島屋のご夫婦は本当に粋で面白い方ですね。
だから人望が厚くて、黒白の間に来る人も耐えないんだろうなと思います。
今回も連作短編になっていましたが、続々と新キャラクターが登場しましたね。そしてこれからもどんどん増えていきそうです。
新しいキャラクターではお勝さんが好きです。
酸いも甘いもいろいろ経験してきているからか、どっしりしているような気がします。
おちかの事も大事に思っているようで安心ですね^^
にしても毎ページ描かれている挿絵が可愛すぎです。キュンキュンしちゃいます。最近巷では電子書籍が流行っていますが、こういう味のあることは絶対に出来ない。こういう部分をもっと出して、本の大切さが伝わって言ったら良いのになと思います。
話がちょっと脱線してしまいましたが。どの作品もなるほどと思いましたが「逃げ水」は平太とお旱さんが可愛かったですね。絆が結ばれているようなそんな感じがしました。
お旱さんの苦しさや寂しさは「僕僕先生 さびしい女神」の魃を思い出しました。何だか似てるなって。
「藪から千本」は、怖かったですねぇ。昔って双子は不吉とされていたんでしょうか。せっかく生まれてきた命なのにそんな扱いをされてかわいそうでした。しかも、呪いだけではなくて生身の人間の憎悪が散りばめられていたのが気持ち悪かったです。1番可哀相なのは、何も知らないお梅だったと思います。嫁ぎ先で幸せになってほしいです。
「暗獣」は、夫妻とくろすけとの関わりが本当に可愛くて可愛くて、くろすけの正体を知った時は切なかったです。もうくろすけの挿絵がほんとうにかわいい!うちにもいてくれたら良いのに!と思いました。
「吼える仏」も怖かったです。あの残酷な結末は自業自得の気もしますが。とにかく人。人が怖かったです。ある意味独裁政治を見ているようでした。宗教のような。
これからも続きそうですね^^
楽しみなシリーズがもう1つ増えました。
〈中央公論新社 2010.7〉H22.12.5読了
著者:宮部 みゆき
中央公論新社(2010-07)
販売元:Amazon.co.jp
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さあ、おはなしを続けましょう。三島屋の行儀見習い、おちかのもとにやってくるお客さまは、みんな胸の内に「不思議」をしまっているのです。ほっこり温かく、ちょっと奇妙で、ぞおっと怖い、百物語のはじまり、はじまり。
「逃げ水」
少年平太は山奥のお寺の中でおかっぱ頭のかわいらしい少女を見つける。彼女はお旱さんといって神様なのだそう。彼女の言うとおりに行動をしたら彼女の拘束が解けたらしく、平太におぶさる形でくっつくようになった。それ以来、平太の近づくところでは水がなくなるようになる。
「藪から千本」
三島屋のお隣、住吉屋の一人娘のお梅が嫁ぐ事になった。複雑な事情でお梅は家の外に出たことがほとんどなかった。祝言の日、白無垢を着ていたのは顔に痘痕がある別人だった。住吉屋には亡き姑の呪いがかかっており、それが原因なのだと言う。
「暗獣」
新太立ちの通う手習所の若先生である青野利一郎が黒白の間にやってきた。それは若先生の師がからんでいる事なのだという。空き家だった紫陽花屋敷と呼ばれる場所に、師匠夫妻は住むようになるのだが、そこで暗獣と呼ばれるものがいた。師匠夫妻は「くろすけ」と名づけ、次第に打ち解けあうようになった。
「吼える仏」
手習所の偽坊主、行然坊がかつて修行していた寺を抜け出し、旅をしていたときのこと。山奥の村では普通では考えられない風習が行われていた。そして囚われていた男性にまつわる重大な出来事に出くわした。
「おそろし」の続編ですね。
おちかが三島屋に奉公に来て、まだ数ヶ月しか経っていないんですね。何だかもう暫く経っている様な気がするくらい、なじんでいますね。
というかこのお話は100いくまで続くんでしょうか?・・・う~ん。それはないかなぁ。どうなんでしょう。
三島屋のご夫婦は本当に粋で面白い方ですね。
だから人望が厚くて、黒白の間に来る人も耐えないんだろうなと思います。
今回も連作短編になっていましたが、続々と新キャラクターが登場しましたね。そしてこれからもどんどん増えていきそうです。
新しいキャラクターではお勝さんが好きです。
酸いも甘いもいろいろ経験してきているからか、どっしりしているような気がします。
おちかの事も大事に思っているようで安心ですね^^
にしても毎ページ描かれている挿絵が可愛すぎです。キュンキュンしちゃいます。最近巷では電子書籍が流行っていますが、こういう味のあることは絶対に出来ない。こういう部分をもっと出して、本の大切さが伝わって言ったら良いのになと思います。
話がちょっと脱線してしまいましたが。どの作品もなるほどと思いましたが「逃げ水」は平太とお旱さんが可愛かったですね。絆が結ばれているようなそんな感じがしました。
お旱さんの苦しさや寂しさは「僕僕先生 さびしい女神」の魃を思い出しました。何だか似てるなって。
「藪から千本」は、怖かったですねぇ。昔って双子は不吉とされていたんでしょうか。せっかく生まれてきた命なのにそんな扱いをされてかわいそうでした。しかも、呪いだけではなくて生身の人間の憎悪が散りばめられていたのが気持ち悪かったです。1番可哀相なのは、何も知らないお梅だったと思います。嫁ぎ先で幸せになってほしいです。
「暗獣」は、夫妻とくろすけとの関わりが本当に可愛くて可愛くて、くろすけの正体を知った時は切なかったです。もうくろすけの挿絵がほんとうにかわいい!うちにもいてくれたら良いのに!と思いました。
「吼える仏」も怖かったです。あの残酷な結末は自業自得の気もしますが。とにかく人。人が怖かったです。ある意味独裁政治を見ているようでした。宗教のような。
これからも続きそうですね^^
楽しみなシリーズがもう1つ増えました。
〈中央公論新社 2010.7〉H22.12.5読了
この物語、まだ9/100物語ですから、続いて欲しいですね。
おちかの守り役のお勝、浪人で剣の達人である青野利一郎、偽坊主の行然坊と勇者の旅の仲間もそろったようですし(笑)