金閣寺の燃やし方 (100周年書き下ろし)
著者:酒井 順子
講談社(2010-10-29)
販売元:Amazon.co.jp
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二人の巨匠が見た金閣寺焼失事件―三島由紀夫と水上勉。生い立ち、気質などことごとく対照的な二人の作家が見た金閣寺消失事件。そこから浮き上がる日本人の姿とは。酒井順子が到達した新境地!
タイトルに惹かれて手に取りました。
来年「金閣寺」の舞台を観に行くから、読まなきゃ読まなきゃと思っているんですけど、積読本が多くて、先に予約が付いている本から読んでいるから結局決意してから2ヶ月くらい経ってもまだ手付かず状態なのです^^;
でも、三島由紀夫の作品は難しそうだから、予備知識があったほうが良いかも!と思って手にしたこの作品。
水上勉の作品は読んだ事はなく、また「金閣寺焼失事件」に関する本を書かれていることも知りませんでした。
また、三島由紀夫の「金閣寺」がこの事件になぞらえている事もこれを読んで知りました。(えー!!)
そんな無知で非常識な私をお許しください。
酒井さんの本も初めてでしたが、読みやすかったですし面白かったです。
三島由紀夫がエリートで東大を出て、官僚になって退職して作家になって割腹自殺したとか(アバウトー)、まあ、アバウトに書きましたが生い立ちを知る事ができましたし。また、水上勉が貧しい生まれで作家として陽の目を見るのに時間がかかったと言う事も知りましたし。
「金閣寺焼失事件」についても、容疑者の生い立ちも細かく書かれていました。
三島由紀夫の「金閣寺」と水上勉の「金閣炎上」は同じ題材を取り上げていても、かかれている人によって重きを置くところが違ったり、主人公の意思が変わったりしているというのも新鮮でした。
読んでいて悲しかったのは、おそらく三島由紀夫は金閣寺を燃やした林養賢の心情は全く分からなかったんだということ。金閣寺が放火された、焼失したという事実を取り上げるために一緒に容疑者の事も調べたんじゃないかと書かれていたところが、何だかちょっと悲しかったです。この本を読んで、すっかり私は容疑者の生い立ちに感情移入してしまったので^^;決して同意したわけではありません。あしからず。
それはやっぱり一応はエリートの家で育ったって言う生い立ちが全く違うから分かり合えない部分なんだろうか。
水上勉は、逆で生い立ちが似ているからこそ人物の方にも注目して書かれているそうなので、私は「金閣炎上」と「五番町夕霧桜」も読んでみたいと思いました。
さ、これで予備知識は出来たんだから「金閣寺」も読まなくては。
〈講談社 2010.10〉H22.11.22読了
著者:酒井 順子
講談社(2010-10-29)
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二人の巨匠が見た金閣寺焼失事件―三島由紀夫と水上勉。生い立ち、気質などことごとく対照的な二人の作家が見た金閣寺消失事件。そこから浮き上がる日本人の姿とは。酒井順子が到達した新境地!
タイトルに惹かれて手に取りました。
来年「金閣寺」の舞台を観に行くから、読まなきゃ読まなきゃと思っているんですけど、積読本が多くて、先に予約が付いている本から読んでいるから結局決意してから2ヶ月くらい経ってもまだ手付かず状態なのです^^;
でも、三島由紀夫の作品は難しそうだから、予備知識があったほうが良いかも!と思って手にしたこの作品。
水上勉の作品は読んだ事はなく、また「金閣寺焼失事件」に関する本を書かれていることも知りませんでした。
また、三島由紀夫の「金閣寺」がこの事件になぞらえている事もこれを読んで知りました。(えー!!)
そんな無知で非常識な私をお許しください。
酒井さんの本も初めてでしたが、読みやすかったですし面白かったです。
三島由紀夫がエリートで東大を出て、官僚になって退職して作家になって割腹自殺したとか(アバウトー)、まあ、アバウトに書きましたが生い立ちを知る事ができましたし。また、水上勉が貧しい生まれで作家として陽の目を見るのに時間がかかったと言う事も知りましたし。
「金閣寺焼失事件」についても、容疑者の生い立ちも細かく書かれていました。
三島由紀夫の「金閣寺」と水上勉の「金閣炎上」は同じ題材を取り上げていても、かかれている人によって重きを置くところが違ったり、主人公の意思が変わったりしているというのも新鮮でした。
読んでいて悲しかったのは、おそらく三島由紀夫は金閣寺を燃やした林養賢の心情は全く分からなかったんだということ。金閣寺が放火された、焼失したという事実を取り上げるために一緒に容疑者の事も調べたんじゃないかと書かれていたところが、何だかちょっと悲しかったです。この本を読んで、すっかり私は容疑者の生い立ちに感情移入してしまったので^^;決して同意したわけではありません。あしからず。
それはやっぱり一応はエリートの家で育ったって言う生い立ちが全く違うから分かり合えない部分なんだろうか。
水上勉は、逆で生い立ちが似ているからこそ人物の方にも注目して書かれているそうなので、私は「金閣炎上」と「五番町夕霧桜」も読んでみたいと思いました。
さ、これで予備知識は出来たんだから「金閣寺」も読まなくては。
〈講談社 2010.10〉H22.11.22読了