恋する日本史 やまとなでしこ物語恋する日本史 やまとなでしこ物語
著者:山名 美和子
新人物往来社(2010-09-11)
販売元:Amazon.co.jp
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感動!こんなに勇敢でけなげな乙女たちがいたこと知らないなんてもったいない!歴史に残るほどの愛、命を燃やす生き様、女だって英雄だった。

歴史上の人物達を支えた女性たちの自伝を数々残した作品です。
出てくる女性たちのイラストがとても可愛らしくて入り込みやすかったです。
にしても戦国時代から明治時代にかけて、数々の女性たちが闘い、尽くし、支えていたんだなと思います。
男性達は、女性が立ててくれて、支えてくれているからこそ闘えたのだなと読んでいて思いました。
そして、そんなに慈しんでいるのに、時代と戦いに巻き込まれ、無理矢理な結婚をさせられたり自刀したりさせられて翻弄されて。かわいそうです。
特に印象的だったのはお市の方と浅井三姉妹ですね。映画を見ていたりしたので、多少は知っていましたけど、お市の方なんて、始めの夫はお兄さんである織田信長に殺されて、2番目の夫は豊臣秀吉に殺されて、自分も自害させられて。それでも母親の意思を継いだ三姉妹もまた凄かったです。
それから、楠本イネ。シーボルトの娘で女性初の医者になった方なんですよね。その人生もまた凄かったです。混血という事で差別もあっただろうに、幼少の時に会ったきりのお父さんを尊敬して医者になったんですから、凄いですよね。
巴御前も、小説で読んでいたので多少は知っていましたけど、こちらも戦に自ら挑んで闘って。それでも夫を救う事ができなかった辛さって言うのは私たち現代人には想像もつきません。
たくさんの女性たちの人生を読んでいて思ったことは、その時代を生きた女性たちはいろんなところでつながっているんですよね。もちろん有名な人たちばかりを取り上げてはいるんですけど。この人とこの人は姉妹なんだ。とか、この人はさっき出てきたこの人に助けられたんだとか。読んでいてとても興味深かったです。
歴史を覚えるのは苦手だけど、こういう形で読んでいくのは面白いなぁと思います。

〈新人物往来社 2010.9〉H22.11.16読了