砂漠の悪魔砂漠の悪魔
著者:近藤 史恵
講談社(2010-09-30)
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大学生の広太は小さな悪意から親友を死なせてしまう。平凡な大学生活から一転、極寒の北京で日本人留学生の鵜野と出会い、広大な中国西部を旅することに…。終着地のウイグル自治区で、広太は生きる意味を見いだせるのか。

展開がいろいろありすぎて、気になってあっという間に読んでしまいました。
最初の話の雰囲気で、私、石持さんの作品を読んでいるのかと思いました。
雰囲気が似ている気がしたんです。私だけかな^^;?
小さな悪意から、ヤクザにゆすられ、中国に渡り、密輸をし、逃亡。
始めは普通の大学生だったはずなのに、展開が速いです。
広太がした事は、許される事ではないと思う。でも、広太が人殺しではない。
いろんな想いが合わさってしまったもので、広太だけが悪いのではないと私は思う。
広太は、広い世界を見て、どう思ったんだろう。
読んでいるだけで、私の生きている世界は、何て小さいんだろうと思った。
ニュースを見たり、新聞を読んだりはするけど、世界情勢については報道された事しか分からないから、実際問題はどうなのかって良く考えると分からないことだらけだなとも思う。
広太は雅之やユウに出会えて幸せだったのだと思う。
あそこまで懸けて助けてくれる人は、日本にはいないと思う。
多少の見返りはあったとしても。
だから、最後の展開は衝撃だった。
あんな目に遭うくらいの罪を、2人は背負っていないと思う。
最後の最後に、ずしっと来た作品でした。

〈講談社 2010.9〉H22.11.3読了