エデン
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あれから三年―。白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。そしてまた惨劇が…。ここは本当に「楽園」なのだろうか?過酷なレースを走り抜けた白石誓が見出した結論とは。

前作「サクリファイス」から3年後の世界。前回の刊行からちょうど3年経っているんですね。チカも27歳になっていました。
読んでいて相変わらずロードレースのルールは分かりませんでしたが、過酷なスポーツだと言う事は分かりました。
とてもストイックで、心が強い人じゃないと出来ないスポーツだと思います。
チカは相変わらず謙虚で真面目。でも、そこがチカの良さなんですよね。
だからチカの周りには人が集まる。味方も、敵も。
この作品って、ミステリと言う位置づけなのでしょうか。ミステリ要素よりもスポーツ小説、青春小説と言った方が近いような気もしますが。
前作ではフェアじゃない部分を見せ付けられてイラっとしましたが、今回も同じでした。いろんなものが、渦巻いているんですよね。
チカはバカ正直だと言われたけど、意思を貫き通して立派だと思います。
自分の名前は残らないけど、味方が栄誉に輝くために必要なアシスト。
それをチカは見事にこなしていたと思います。
ものすごく気になるところで終わってしまいました。
続編が出るかどうかは分かりませんが、チカの勇士をまた見れたら良いなと思います。

〈新潮社 2010.3〉H22.7.21読了