貴族探偵
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「ウィーンの森の物語」
都倉計器の社長、都倉政一が死んでいるのが見つかる。密室だったため、始めは自殺とされていたが、他殺の証拠が残されており、殺人である事が判明した。容疑者は妻の光恵、息子の忠仁、親戚の江梨子。営業部長の正津幸彦、愛人の旗手真佐子。
「トリッチ・トラッチ・ポルカ」
宇和島逸子が殺された。彼女はいろんな人の弱みを握り、ゆすっていた。第一容疑者は高校の先生である浜村康介だった。彼は、川原で彼女の頭部を埋めているところを目撃されたのだ。
「こうもり」
風媒荘にやってきた絵美と紀子は作家の大杉道雄と堂島尚樹と会い、一緒に食事する事に。しかし、道雄の妹佐和子が殺されているのが見つかる。
「加速度円舞曲」
美咲は恋人の浮気現場を目撃し、イライラしながら家路についているところだった。しかし、途中で大きな岩が落下し、車が故障してしまう。立ち往生していると、貴族探偵と自称する男が助けてくれた。岩を落としたのは上に住む住人だと言うが、その人物は自分が編集者として担当している作家の家だった。
「春の声」
皐月の従兄弟の弥生は祖父の言いつけで入り婿候補3人の中から1人を選ばなければならなかった。しかし、夜、入り婿候補の1人から不吉な内線電話が入る。
麻耶さんの作品は初めて読みました。
5年ぶりの最新作だそうですね。
貴族探偵を名乗る紳士が全ての作品で絡んでいるのですが、現場検証するのは彼の使用人たち。推理はしているようだが、推理を披露するのも使用人たちという、ちゃんとわかってるのかわからない不思議な探偵。
でも、所作はしっかりしていてお金持ちの風格があり、いやみな事や気障な事を言っても、素直に受け止められてしまう不思議な人らしい。
使用人たちは言葉遣いや礼儀をちゃんとわきまえている人たち。とても好感が持てました。
貴族探偵は、私は嫌いじゃなかったです。
失礼で変な奴だけど、世間知らずなわけではないと思ったので^^
事件のトリックも動機もなるほどーと思いましたし。
とても面白かったです^^
新境地を開けて嬉しいです。
〈集英社 2010.5〉H22.6.21読了
そうなんですよ5年ぶりの新作で
待ち遠しかったですよー
麻耶さんの他の作品を読む予定はありますか?
メルカトル鮎シリーズというのがあるんですけど
これは結構すごい世界ですよ