
さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)
クチコミを見る
オススメ!
第1話「あの日の蜘蛛男」
演劇部の柳瀬先輩と舞台を観に行った帰り、葉山は小学校の時の同級生である木場と再会する。木場は何か思いつめている様子だったが、何も言わずに去っていった。次の日、柳瀬が木場から事情を聞いており、葉山は4年前の小学校の卒業式の話を始める。渡会千尋と言う女の子のことが好きだったため、葉山はラブレターを渡そうとしていた。しかし、手紙を男子に見つかり奪われる。追いかけていると手紙は風で吹き飛ばされ、「キムラビル」の屋上へいった。ビルへ行って手紙を探していると、葉山は閉じ込められた。木場は気になって戻り、葉山の居場所を探すと、葉山は隣の「第二高橋ビル」それが未だに気になっていると言う。
第2話「中村コンプレックス」
「東雅彦は嘘つきで女たらしです」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書。部員達が中傷の犯人は誰だと騒ぐ中、オーボエ首席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出た。初恋の人の無実を証明すべく、葉山が賢明に犯人探しに取り組む。
第3話「猫に与えるべからず」
庭園の中で野良猫のジャックと戯れて遊ぶお姉さんと話すのが楽しみだった僕。しかし、猫は僕になついてくれない。2人でいい感じになって話していると、伊神先輩がやってきた。猫の名前は知っているし、お姉さんとも仲良く話している。僕は悔しくなり、夜中に公園へ行った。餌をあげて猫になついてもらうためだ。餌をやると僕に擦り寄ってきてくれた。その時は嬉しかったが、次の日の朝に庭園へ向かうと、ジャックは池の上で死んでいるのが見つかった。
第4話「卒業したらもういない」
今日は卒業式。伊神先輩が卒業する。先輩の事だから、自ら進んで高校へ遊びに来ることはないだろうと感じた葉山は、式が終わってから伊神に一言伝えようとする。しかし、伊神はいない。帰ったのかと思い、先輩から教えてもらった住所に行ってみても、人自体が住んでいないようだ。携帯も通じない。不安になった葉山は、立花先輩の家を訪ね、相談に乗ってもらう事にする。
「理由あって冬に出る」の続編です。
近くの図書館は全滅だったので、買おうか悩んでいたのですが、結局相互貸借で頼んでしまいました^m^まあ、市の税金でやってる事だし。活用できるものはしないとね。
さて、葉山君や伊神先輩がまた登場。面白かったです。
それぞれの謎も面白かったですし、高校生同士の軽いテンションと会話が良かったです。「理由あって冬に出る」を読んだ時には、表紙は誰の絵なんだろう?と分からなかったのですが、葉山君と柳瀬先輩ですよね、きっと。
柳瀬先輩は面白いですね。葉山君の事が好きなんだと思いますけど、ノリが軽くて全く持って愛情が伝わっていないのがおかしすぎます。葉山君に向かって「カモン」って言ったのには爆笑しました。
伊神先輩も相変わらずで。言いように葉山君を使っていますね^m^報われない感じが面白くて良いです。
三野君と葉山君のやり取りも好き。ドラマ仕立てだったりコントっぽかったり。
ただ、残念だったのは、第2話のタイトルの意味の元ネタが私が知らなかったこと^^;う〜ん。きっとナイスなタイトルだろうに、私には分からなかった・・・。無念。
第3話は騙されました。やられた。
伊神さんの事も、最後のちょっとわかりましたね^^
ただ、物語は続いていたので、次の作品も楽しみです。今、読んでいます。
〈創元推理文庫 2009.6〉H22.6.1読了