僕の明日を照らして
僕の明日を照らして
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やさしいことと、やさしくすることは、違う。優ちゃんは、ときどきキレて、僕を殴る。でも僕は優ちゃんを失いたくないんだ。
中学2年の隼太に新しい父が出来る。優ちゃんと一緒の夜は恐くない、はずだったが。キレて自分を殴る父を、それでも失いたくない隼太が逞しく成長する姿を描く。

瀬尾さんの作品はとても久しぶりです。
読みたかったけど、なかなか図書館に入らなくて読めなくて。買えって話ですけど。
この作品は、瀬尾さんらしいようならしくないような・・・。
私は始め、隼太が嫌いでした。
暴力を受けて、それでも優ちゃんのことは大事だし、一人きりでいる夜に比べれば一緒のほうが良いって言うところはとても切なくて温かいと思ったけど。
上手く物事を進めようと勝手に決めて相手の事を考えないところとか、友達と本気で向き合ってない感じとか。
でも、優ちゃんとちゃんと向き合うことで成長していったのかなと思う。
最後の方の隼太はとても優しいいい子になったと思いました。
でもでも、私はやっぱり暴力は怖くて辛い。だから、どうして隼太はそんな頑なに優ちゃんと一緒にいる事を望んでいるんだろうとか、どうして暴力を受けた後に普通に喋れるんだろうとか、不思議でしょうがなかった。
正直、最後まで完全には理解していなかった。
隼太は、やっぱり側にいてくれる大人が欲しかったのかなと思ったり。
1人で夜をすごす事の辛さは私は分からない。
自分がどんな事を思って考えていても、誰かに伝えたくても、家には誰もいないっていうのは、寂しいし、恐怖なのかなとも思う。
その辛さを誰にも告げず、立ち向かっている隼太はとても立派だと思います。
それでだんだん解決に向けて進んでいったのに、最後の最後に怒涛の展開で、あれ〜と思ってしまった。ちょっとビックリ。
お母さんが泣いていたけど、ちょっと気付くのが遅すぎだと思う。
それなら思いっきりあざが見えていた段階で気付いてあげて欲しかった。
言い方が悪いけど、お母さんが関係を壊す権利はない。と隼太と同じ気持ちになりました。
あぁ・・・何だかまとまりがないですね。
どちらにしても、結果的にはいろいろ残念で哀しかったかも。

〈筑摩書房 2010.2〉H22.5.11読了