ゼロの焦点 カッパ・ノベルス創刊50周年特別版
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板根禎子は26歳。広告代理店に勤める鵜原憲一と見合い結婚した。紅葉が盛りを迎えている信州から木曾を巡る新婚旅行を終えた10日後、憲一は、仕事の引継ぎをしてくると言って金沢へ旅立つ。しかし、予定を過ぎても帰京しない憲一。禎子のもとにもたらされたのは、憲一が北陸で行方不明になったという、勤務先からの知らせであった。急遽金沢へ向かう禎子。憲一の後任である本多の協力を得つつ、憲一の行方を追うが、その過程で彼女は、夫の隠された生活を知ることになる。
映画化されたという事と、カッパノベルズで新しく刊行されたという事で(図書館で借りたんですけど)読みました。
松本清張の作品は、以前「砂の器」を読んでいて、昔の作品だけど読みやすかった!という印象がとても強く残っていたんです。
それで、この作品も読むのを楽しみにしていました。
本当に文章が読みやすくて、一気読みでした。
始めのあらすじは映画の予告をみて知っていたのですが、こんなにいろんな関係が渦巻いているものだったんですね。
禎子は強い女性でした。たった10日しか一緒にいなかった相手のために、東京と金沢を行き来して真実を掴みます。そして、いろんなことで悩み、推理していきます。
そして、連続殺人も起きますし・・・。
予想はしていましたが、とても哀しい結末でした。
犯人だけを責める事は出来ないのかなとも思いましたし。
戦時中や戦後直後の時代背景は勉強はしていても、ちゃんとわかってはいないんだなってことも痛感しましたし。
映画のキャストは見たらネタバレになるかなと思い、読んでいる時は禎子と憲一の役の方しか知らなかったのですが、読み終えて確認しました。
何だかとっても気になるキャスティング。西島さんはやっぱり雰囲気が合ってるなぁ。大好きなのです。
映画もDVDが出たら、見てみようと思いました。
〈光文社 2009.10
光文社 1959.12〉H22.4.20読了
50年前ってこんな感じだったのかぁと想像を巡らしながら読んでました。
それにしても、松本清張の文章は本当に読みやすかったですねぇ!