神様のカルテ
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栗原一止は信州の病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作。

1度私の手元に来たのですが、読みきれずに返し、再び10人待ちを待ってようやく読めました。
早く読んでおけば良かった。っていつも言っていますが。
読んでいて、何度もうるっときました。
著者さんは、実際に信州で医師として働かれている方なんですね。32歳とは。主人公の一止と同じくらいですよね。だからか、地域医療の深刻さは如実に表れていましたよね。
つい最近、札幌から少し離れた小さな街で、医師にきてもらうために奮闘している地域の姿を見ました。
給料も多く出せるわけではない。でも、医師不足だから是非ともこの街に来てほしい。給料以外の部分で満足してもらえるように地域の方々が家具を提供したり、部屋の手入れをしたり。
一止のような考えの医者って稀なんでしょうか。私も一応都会に住んでいるので、深刻さを肌で感じる事はないのですが、やっぱり大変なんでしょうね。
でも、一止は素晴らしいですね。喋り方は時代錯誤ですけど(言葉遣いが万城目さんや森見さんの作品を思い出しました)、誰よりも患者の事を考え、連日勤務が続いていても決して辛いとは言わない。
理想的な医者だと思います。
それに、砂山先生や東西さんや外村さんや水無さんや大狸先生、古狐先生。そして、男爵や学士。そしてそして、愛しい榛名。
一止は周りの人に恵まれていますね。
安曇さんもステキな方でした。私も、読んでいて癒されました。
一止と榛名の関係もとってもかわいらしくて好きです。榛名は少女のようですけど、奥さんらしく一止を立てて、思いやっていて。一止だって、結婚記念日を忘れていて悔やんでいるんですから、奥さんへの深い愛情を感じます。
こんなカップルになれたら、いいなぁ。
また、この方の作品を読みたいです。
すっごく好きです。

〈小学館 2009.9〉H22.4.14読了