司書はなにゆえ魔女になる
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司書が魔女的能力を発揮するとき。
知られざる世界の図書館事情30のエピソード。
本(11冊)と映画(14本)の水先案内も。
最新版です。ようやく追いつきましたし、順序も合いました^^
今回も同じく図書にまつわる話や本や映画の話をされています。
でもまさか「月魚」が出てくるとは思わなかったなぁ。ちょっと嬉しい。
図書館についてあんまりいい事を書いていない部分があったから。それに対してもちゃんと答えられていたので、良かったです^^
映画も本も最近のものが結構出ていました。観ていないもので、観ようと決意したのは「夕凪の街 桜の国」です。前から見たいと思っていたのですが、まだ観ていませんでした。原爆という忘れてはいけない歴史、その歴史から逃れられない被爆者達の辛さを、ちゃんとこの目で見なければと思いました。
本や映画についての事の他に、今の図書館司書という職の現状についても今作で深く強く書かれていると感じました。
私は図書館司書ではありませんが、図書館司書の募集は雀の涙というか針の穴ってくらいないですし、雇用形態も正職員はほとんど皆無です。
だいたいは3年契約できられるというシビアな業界です。
だから司書の資格を持っていても目指せない若者が多いんです。それは昔からあるとは思いますが。
近年、指定管理者制度という言葉を耳にします。
それは、図書館に限りませんが、公共の施設を企業・団体が管理・運営を代行するというものです。
サービスという面では、もしかしたら司書よりも人と関わる人が上手い人もいるかもしれません。
でも、図書館はサービスだけの場ではないと私は強く思ってます。
図書館司書は専門職です。
司書はただカウンターに座っているわけではないです。
司書は、利用者が求める膨大な分野の本の中から求めている本を探し出すスペシャリストなのだと思ってます。
本の力は未知数です。たくさんの人を幸せに出来るものの一つだと思ってます。
著者さんもおっしゃっていましたが、決して言い過ぎではないと思ってます。
だから、その重要な役割である図書館司書という仕事を、私も務めたい。
本のスペシャリストとして誇りを持って図書館で働きたいと、読んでいて改めてそう感じました。
そして、今の本屋の特徴も書かれていました。
読んでいて悲しくなりました。ベストセラーが大量に積まれている本棚。
本屋大賞の意義。ランキングをつけますが、1位になった本は売れますが、2位以下の本の売れ行きはそれほどでもないそうです。
本選びがそんな簡単で良いのかな。周りに左右されないで、自分が読みたいと思った作品を手にとってほしい。そこで、好きな作家さんにめぐり合ってほしい。
本屋大賞の意味はそこなんじゃないかと思うのだけど。10冊の本。その中で書店員はこう感じているんだ。じゃあこの作品を読んでみよう。割と面白い本だった。この作家のほかの作品を読んでみようかな。って。
決してランキングが大事なんじゃないんだ。ノミネートされている間のほうがよっぽど意味がある。
と、私は感じます。
えらそうで、ごめんなさい。
〈郵政社 2009.6〉H22.1.28読了
本と図書館を取り巻く事情は厳しさを増すばかりのようです。
それでもなお、書く人がいて、読む人がいるのですから、その間を取り持つ人々には頑張ってもらいたい。
そう思います。
本屋大賞にノミネートされた作品を、ノミネートされる前に読んでいると嬉しいんですよね。笑
ベストセラーになるかどうかに関わらず、自分にとってのベストの本との出会いを楽しむ人が増えたらいいのに。