ドリーマーズ
ドリーマーズ
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目の前にある世界が、夢のように思える瞬間がある
いくつもの風景からあふれ出す、大切な誰かへのたしかな想い
現実と夢のあわいを流れる時間を絶妙に描く表題作ほか、ゆるやかな日常からふと外れた瞬間をヴィヴィッドに映し出す、読むたびに味わい深まる連作短篇集。
オフィスを抜け出したわたしを待つ、少しだけ特別な時間―『ハイポジション』
引越し先に現れる「誰か」との奇妙な共同生活―『クラップ・ユア・ハンズ!』
「おれはもう死んでるんやわ」電車でふいに友達が話すのは…―『夢見がち』
過去と現在、移りゆくそれぞれの風景と、交差する記憶を描く―『束の間』
空と地上、光と闇、喧騒と静寂。台風近づくある日の出来事―『寝ても覚めても』
わたしが見るのは、現実とパラレルに進むやけにリアルな夢…―『ドリーマーズ』

今回の作品は、現実と夢の狭間が主なテーマで。
特に印象的だったのは「夢見がち」かな。電車の中で、友人がかつて自分のみに起きた不思議な話をするの。
その話、私は実際に聴いているように読みました。
結局どういうことだったのだろう。凄く怖かった。何だか実際にもありそうな気がして。
柴崎さんの作品に出てくる女の子は、とっても前向きな子が多くて好感が持てる。
今、この瞬間を楽しんでいるような気がして、羨ましく思う。
だから、柴崎さんの作品が図書館に入っていたら、すぐさま予約するのかな。

〈講談社 2009.8〉H21.11.17読了