プリンセス・トヨトミ
プリンセス・トヨトミ
このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。
大阪が全停止した。
長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった—。
前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。

ようやく読みました。
京都、奈良と読んでようやく大阪を読みました。
「大阪が全停止した」っていうフレーズしかこの作品については知らなかったので、どういう話の展開になるのか全く分からなかったんです。
最後まで読んで、なるほど~と思いました。面白かった!
そもそも会計検査院という職業を初めて知りました。マルサとは違うのか・・・
松平と旭が有能なのは分かるのですが、鳥居、よく公務員になれたなぁ…
紅一点で若くて美人な旭の存在は気になりましたね。きっとすらっとしてて美しいんだろうなぁ。
松平も本当に有能なんだと言う事は分かりました。
そして両親は大阪出身で、彼は父親と仲違いしていた為に本当に大切な事、親から息子へ伝えなければならないことが伝わらなかった事が本当に切なかったです。
きっとお父さんは伝えたかったんだろうなぁ。
「大阪国」について知っている人の条件というのがあまりにも責任が重いし、大切に守られている理由が分かりました。
大阪の商店街の中学生2人もなかなか素敵です。
大輔の決意と信念はかっこよかったです。辛い思いもたくさんしたと思うけど、このまま意思を貫いていってほしいなぁと思います。
茶子もかっこいい!女として尊敬します。幼馴染のためにあそこまでできる人はそうはいないですよ。
相手を思う気持ちはお互いに、恋愛というものではなくて、それを超越したものなんだろうな。これからは茶子に守られるんじゃなくて、大輔が守っていかないとね。あ、島もかっこよかったよ。(とってつけ)
父から息子へ伝える事も良かったですが、最後に分かった母から娘への伝統も素敵でした。
やっぱり全て女性は見抜いているんですよね。
やっぱり男性は女性の掌で踊らされているんですよね。なんて。すみません。
読んだ後に知ったのですが、登場人物の名字が豊臣に関わる名前ばかりだったみたいですね。
知っていればもっと楽しめただろうに。残念です。
大阪も面白かった!3部作は終わっちゃったけど、次はマキメさんはどんな作品を書かれるんだろう。楽しみです。

〈文芸春秋 2009.3〉H21.6.22読了