ロードムービー
ロードムービー
「ロードムービー」春から6年生になるトシは友達のワタルとともに、家出をした。行き先は決まっている。向かう間、トシはこの1年間、自分の身におきた出来事を思い出していた。母は医者、父は政治家。頭も良くてスポーツも出来るトシはクラスの人気者だった。しかし、同級生の一人に目をつけられてからはイジメを受けるようになる。唯一の味方はワタルだけ。そしてトシには夢があった。児童会長になる事だ。しかし、いじめを受けているため勝利するのは難しい。2人の闘いが始まった。
「道の先」僕は大学生で、塾の講師のバイトをしている。中学生の塾生である大宮千晶は先生の好き嫌いが激しく、嫌いな先生には攻撃する。「僕」は気に入られたようだった。
「雪の降る道」ヒロが亡くなってから、ヒロちゃんは学校を休みがちになった。どんなに天候が悪くても、ヒロちゃんに何を言われても、みーちゃんはヒロちゃんの元へやってくる。しかし、ヒロちゃんがみーちゃんにひどい事を言ってしまった後、みーちゃんがいなくなってしまった。ヒロちゃんは家をこっそり抜け出し、みーちゃんを探す。どこを探しても見つからなくて途方にくれていた時、自分を見つけてくれたのは、近所に住む中学生、スガ兄だった。

短編…中編?小説。どの作品も面白かったです。
で、も。やっぱり痛いよ、読んでいて辛い部分がたくさんあったよ。「ロードムービー」のアカリにしても「道の先」の千晶にしても、こんなに計算高くて頭のいい中高生、いるのかなぁ…。もし、こんな子達がいたら、私は人間不信になります。
絶対に友達になりたくないし、関わりたくもない。でも、トシはいい子だった。強い子。きっと両親の強さを受け継いでいるんだね。ワタルの演説は感動してしまいました。
にしても。きづかなかったなぁ。あのカラクリ。さすが辻村さんです。見事にやられました。

〈講談社 2008.10〉H21.4.1読了

以下はカナリのネタバレですので、ご注意を。
そして「冷たい校舎の時は止まる」のサイドストーリーも登場しましたね。嬉しかったです。
「ロードムービー」ではトシの憧れ?の存在として、大人になった鷹野と(多分)深月が登場。多分、トシの両親もそうだよね。誰だろう。景子と昭彦かなぁ。2人は医者と政治家になってそうかも。もしくはあの6人の中に入ってなかった鷹野の友達の男の子かも。あぁ…名前が出てこない。
「道の先」は塾講師が志水かなぁ…。自信ない。最後の女の子は間違いなく梨香だよね。榊くんの所へ行くんだね、きっと^^
「雪の降る道」は書くまでもないですねぇ。でも、なんだかイメージが違うな。深月の弱いけど強い?イメージはそのままだけど、鷹野って、小さいころこんな感じだったかなぁ…。スガ兄はカッコイイです!