
退出ゲーム
オススメ!
穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。
上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。
音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励むチカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、校内の難事件に次々と遭遇するはめに—。
「結晶泥棒」ハルタが1週間学校に来ない。それは、ハルタの携帯に写っていたハルタの想い人の写真を、クラスのみんなに見られたから。チカは一人暮らしをしているハルタの家に怒鳴り込んだ。戻ってきて欲しい気持ちもなくはないが、頼みたいことがあったのだ。文化祭が近づいており、チカは実行委員をやっている。硫酸銅の結晶が何者かに盗まれたのだ。劇薬で、先生に知られたら文化祭は中止になってしまう。同時期に、コバルトスズメが盗まれた。ハルタはこの2つの事件は関係があると睨む。
「クロスキューブ」廃部寸前の吹奏楽部だが、新入生で中学時代に吹奏楽に入っていた人間が何人もいるという情報を掴み、チカとハルタは勧誘に臨む。同級生の成島という女性が中学時代、23人という人数で普門館で演奏した事があるのだという。しかし、高校に入ってからは吹奏楽部に入部しないだけでなく、人を寄せ付けないオーラがあった。中学時代の友人の西川に事情を聞く。成島には弟がいた。しかし、今はもうこの世にはいない。成島はハルタたちに難問を突きつける。この謎を解いてほしいと差し出したものは、6面全てが白い、ルーピックキューブだった。
「退出ゲーム」吹奏楽の猛特訓の帰り道。同じく吹奏楽部のハルタと成島が何故か演劇部を手伝っている。2人の目的は中国系アメリカ人のマレン・セイを吹奏楽へ誘うためだった。彼は中学時代、オーボエの奏者だったのだが、高校では吹奏楽部へは入部していない。吹奏楽部と演劇部で、対決する事になった。誰かを舞台上から退出させた部の勝利となる。
「エレファンツ・ブレス」チカは生徒会長の日野原に突然呼び出される。発明部の二人が失態をおかし、協力してほしいのだと言う。発明部は「オモイデマクラ」を発明し、1万円で2人に売ってしまったのだと言う。一人は判明したが、もう一人の正体がわからない。そして正体が分かると、何故その枕が欲しくて誰に使いたいのかが分かった。
面白かったです。ビックリ。初野さんってこんな青春ミステリも書かれるんですね!(ちょっと失礼)
初野作品は「水の時計」を読んで以来2冊目です。
いや、実は読みかけの本が1冊あるのですが…。なかなか読み進まなくて^^;長いんです。読んだらアップします。
初野作品好きだ。高校生にしてはみんな博識すぎるけどキャラクターが良いですね。
チカも元気で明るくて一生懸命で可愛いし、ハルタがまた良い。第一印象が間違いなくよくて、女性にもてるけれど、叶わぬ(?)恋をしている。
そして私のお気に入りは、やっぱり草壁先生ですね。草壁信二郎、26歳。学生時代に東京国際音楽コンクール指揮部門で2位の受賞歴があり、国際的な指揮者として将来を嘱望されていた。なのに海外留学直前で全てを捨てて姿を消す。数年後教職についたという異色の人物。
どの作品でもキーマンとなる人です。
隙がなくてとってもカッコイイ。2人が好きになるのもわかるわ。
どの作品も最後にちょっとほろっと来ます。ミステリも。なるほど~と深く納得します。難しかったですが^^;
この作品は、チカたちの高校1年間を書いたものだから、是非とも高校2年生と高校3年生になったバージョンも読みたいなぁ。
草壁先生が、何故教職と言う道を選んだのか、過去も知りたいし。
シリーズ化してほしい。
チカとハルタの夫婦漫才のような掛け合い、好きです。
〈角川書店 2008.10〉H21.3.5読了
本当に面白かったです。
チカとハルタの掛け合い、漫才みたいでしたね。
ハルタの思い人、そこなのね!!!って。
先生の過去、気になりますよね。