数奇にして模型 (講談社ノベルス)
那古野市内で開催された模型交換会で、モデルの首無し死体が発見された。
死体と共に密室の中で昏倒していたのは、大学院生、寺林高司。
彼には同じ頃に起きた女子大学院生の絞殺事件の容疑もかけられていた。
もう一つの事件も、死体が見つかったのは「密室」の中。
犀川創平、西之園萌絵の師弟が事件の謎に挑む。
「S&M」シリーズもついに残す所あと1冊となりました。
寂しいなぁ。それにしては2人の恋の発展がなさ過ぎです。2人の関係はどうなるんでしょう。
まあ、婚姻届は出しているけど。というか書かされたんだけど。そして勝手に預かられているんだけど。その結末も後1冊でどうなるか分かるのかな。でも、萌絵の友達じゃないけど、私は犀川先生の良さが分からない…。いい先生だと思うんだけど、頭が良すぎて理屈っぽくて無駄な事は聞こうとしなそうで、ちょっと疲れそう^^;と、思ってしまいました。
事件は2重の密室殺人。そして容疑者は模型マニア、もしくはアーティスト。話の内容も何だか変わっていて、入り込むのがちょっと大変でした。話し方も皆独特だし。
雰囲気は今で言うオタクの集団という感じでしょうか。またしても森さんは時代を先取りしていました。
事件の真相は、驚きというよりはあっさりした感じがしました…。ちょっと拍子抜け。結論としては、アーティストの考える事は分からないって言う事でしょうか。
萌絵も相当変わってるけど。犀川先生も大変だ。多分、保護者として。
〈講談社 1998.7〉H21.1.14読了