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「童話の眠れる茨姫は、王子様のキスによって百年の呪いが解け、幸福になった。もしそれが、ストーカーのキスだったら?」
対人関係に臆病で頑なに心を閉ざす梨花子は、ストーカーの影に怯えていた。
だが、心と身体を癒す整体師合田力に出会ったのをきっかけに、初めて自分の意志で立ち上がる!
若者たちに贈る繊細で限りなく優しい異色のサイコ・ミステリー。

また失敗した…。
この作品、続編なんですね。あぁ・・・小松崎や歩や恵の事がネタバレになってしまった。
でも、それでも面白かったです。
主人公は小松崎という雑誌の編集記者と、弟ができちゃった結婚をしたために一人暮らしをする事になった梨花子。
梨花子は24歳。今の私と同じ年です。
梨花子のこと、最初は好きではなかったです。隣人の早苗や礼子を見た目で判断してるし、何だかオドオドしている感じがするし。
でも、それはそのまま私にも同じことが言えました。
合田先生の言った言葉は、そのまま私の心にもぐさっときました。

「誤解すんなや。臆病な事自体は決して悪い事やないで。少なくとも、自分、臆病でいたお陰で、今までそれほど傷つかんですんだやろ」
「自分のみを守るために、臆病でおるのは悪い事やない。それはただ、そういう生き方や。平凡でなだらかなな。だが、悪いのは、臆病でおれば、誰かが守ってくれる、と思い込むことや」

グサグサですよ。私も、多分梨花子と同じ。
梨花子が日常で思うこと、実家だったらしなかった事。今実家で暮らしてる私はきっとそうしてしまうかも。って思うことが結構ありました。
梨花子はストーカーと立ち向かう事で、ラストはとっても明るく、雰囲気も変わった気がします。
私はまだ、殻を破ってないかな〜。
合田先生の言葉を教訓にして、ちょっとはいい加減成長しないとなぁと思った作品でした。
最後はスカッとしました。みんな、いい人たちでした。

〈祥伝社 2000.6〉H20.11.17読了