Re-born はじまりの一歩

「よろこびの歌」宮下奈都
御木元玲はバイオリニストの母を持つ。
付属中学に進学する必要はない。音楽だけが全てじゃないと母親に言われて育ち、高校受験に失敗。
何となく、なじめない学校生活を送っていた。
高校の合唱コンクールで、玲は指揮者に推薦される。
「あの日の二十メートル」福田栄一
克彦は大学受験に失敗し、行きたくもない大学に進学した。やる気のない生徒と教授を見て、段々大学から足が遠ざかっていった。
モヤモヤとした気持ちは、水泳をする事で、少し和らいだ。
プールへ通うようになり、そこで80歳を超えているだろう佐山と言う男性に出会う。
泳げるようになりたいから、教えてほしいと言うのだ。
「ゴーストライター」瀬尾まいこ
戸村飯店の兄弟は容姿も性格も正反対で、弟のコウスケは兄が嫌いだった。
その兄が、家を出て上京するという。
コウスケは同級生の岡野から、ゴーストライターを頼まれる。
兄に、手紙を渡したいのだという。
「コワリョーフの鼻」中島京子
隣席で主婦3人がうるさく喋っていた。
話題はどんどん変わり、鼻の話になる。
その議論は、夫婦の間でも話された。私には、夫には言えない秘密があったのだ。
「会ったことがない女」平山瑞穂
唐津喜一はかつて自分を兄として慕ってくれていた江添辰巳の願いを聞かずにいたことを悔やんでいた。
その詫びをしようと、辰巳の行方を捜す。
詫びたい内容とは、辰巳の伴侶の不思議な能力が原因だった。
「瞬間、金色」豊島ミホ
転勤族の家に育ったシンジュは、転校先でナナミというクラスで浮いた存在の生徒と仲良くなった。
月日が流れ、ナナミに子どもが生まれた。
病院へ向かう途中、ナナミと過ごした日々を思い出す。
「残り全部バケーション」伊坂幸太郎
早坂家は離婚し、これから家族3人がバラバラに過ごすことになっていた。
そんな時、父のPHSに不思議なメールが届く。

ようやく順番がまわってきて、読めました。
読んで良かった。面白かった。
伊坂さんと瀬尾さん以外は初めて読んだ作家さんでした。
お二人の作品はとても!面白かった。
瀬尾さんの作品は、最新刊と結びついているんですよね。
行きつけの図書館にはまだ入っていないので、読めていないんです。残念。
仲の悪そうな兄弟ですね^^;
短編でしたが、私はコウスケが好きかな。素直だし。女性に対して不器用なのがまた可愛い^^
年配の人に大切にされる人って、良い人だと思うんだ。
出前に行ったら飴玉をくれるなんて、いくつになっても素敵な関係だなと思う。
あ~、本編が読みたい!
伊坂さんの作品も良いです!
全く無関係な世界で生きてきた一人と一家族を結びつけてドライブさせるんですから面白い。
結末のあと、どうなっちゃったのか、気になります…
私としては、毒島という男達をメッタメタにやっつけて血を流しながらもガッツポーズで戻ってくる岡田くんを想像します。ナンテネ^^
初めての作家さんでは、福田栄一さんの作品が好きです。
世代を超えた友情って、素敵ですよね~。
2人の絆が段々深くなっていくのが、良いなって思いました。
最後も、良かったですね^^佐山さん、良かったね。って、言いたくなります。
他の作家さんの作品も、読みやすくて良かったです。
アンソロジーはたくさんの作家さんを発掘できるのが醍醐味ですよね。

〈実業之日本社 2008.3〉H20.7.31読了