さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)

一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。
遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。
彼女と過ごす、謎に満ちた日常。
そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。
覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。
謎を解く鍵は記憶のなかに―。
忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。
気鋭の新人が贈る清新な力作。

積読していた本です。今更なのですが。
こんなにリアルで切なくて痛い作品だとは思いませんでした…。
91年…7歳かぁ。世界情勢なんて全然分からん時代だなぁ。
でも、こういう作品に触れることで、調べたいという思いに駆られますね。
マーヤの政治家になりたいという思いは、世界中を旅して様々な事を学び、覚えている姿を見て伝わってきました。
一生懸命だったし。
ラストは衝撃的だったけど、何となく想像もできて、悲しかったですね。
マーヤが切り開く世界を見てみたかったです。
あと個人的に気になったのは、守屋の太刀洗に対する態度かな。
いくらクールで冷たい感じだからって、女性に対しての対応ではない気がする…

〈東京創元社 2004.2〉H20.5.26読了