東亰異聞 (新潮文庫)

帝都・東亰、その誕生から二十九年。
夜が人のものであった時代は終わった。
人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。
夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。
さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる…。
人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。

カナリ久しぶりの小野さんです。
ココまでのミステリーホラー?は初めてかな。小野作品では。
パラレルワールドなのですけど、なんとも救いようのない作品だったなぁ。
最初は難しくて読み進めるのに時間がかかったんだけど、それからは引き込まれました。
奇怪で酷い殺人が繰り返され、それがお家騒動へ結びつく。
犯人や動機についてもビックリでしたが、最後の最後にとんでもない事が待っていてさらに驚き。
やっぱり小野さんはすごいです。

〈新潮社 1994.4
     1999.5〉H20.4.3読了