夜は短し歩けよ乙女

私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。
吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。
我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。
「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。
「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。
二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。
天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。

予約して10ヶ月目にようやく来ました。
長かったですね〜。やっと読めました。
森見さんの作品は2冊目です。
「走れメロス」の後だったので、文体は森見さんなんですが、恋愛小説なので驚きでしたね^^
とってもほんわかしている彼女ですが、ものすごく強い人ですよね。
先輩が最初ストーカーのようでしたが、段々切なくなってきました。
彼女に会うために数々の試練が彼を襲うんですよね。
一生懸命やるのがまた健気なのよね。
最後の2人のコメントが何だか可愛らしい。
2人の今後が気になりますね^^

〈角川書店 2006.11〉H20.3.23読了