眉山 (幻冬舎文庫 さ 8-4)

東京の旅行代理店で働く咲子は、故郷の徳島で一人で暮らす母・龍子が末期癌であと数ヶ月の命と知らされる。
ちゃきちゃきの江戸っ子で、気風のいい母は、「神田のお龍」として、沢山の人々から慕われてきた。
徳島に滞在し、母を看取ろうと決心した矢先、咲子は、母が自分に言わずに「献体」を申し込んでいたことを知る。
それはなぜなのか?
やがて咲子は、母が残した箱から、まだ会ったことのない父のことと、母の想いを知っていく―。

今更ながら読みました。
さださんの作品は、風景も人間模様も綺麗ですよね。
綺麗すぎるくらい綺麗です。
なので、嫌な感じはしません。
最初から最後まで清々しいです。
誰の力も借りず、咲子と共に生きてきた気丈な母。
お母さんの生き方は、かっこいいけど真似できない。咲子の気持ちが分かります。
最後の最後が素晴らしいですね。
これは絵になるわ。
映画も、見たいなぁ。

〈幻冬舎 2004.12〉H20.3.17読了