青葉の頃は終わった

「ねえ、知ってる?瞳子が死んだんだって」
瞳子は孤高の存在で、ガラス細工の天使のようだった。
繊細で儚げで、他人を魅了する少女に見えた。
彼女のことが、可愛らしくて、愛おしくて、腹立たしくて、憎らしくてたまらなかった。
死後に届いたハガキには「私のことを殺さないで」とあった―。
彼女の不在と、ぼくたちの季節の終焉。ほろ苦い青春ミステリー。

ずっと積読していた作品。ようやく読みました。
切ないですね〜。最初から最後まで切ない。
最後はすこ〜しだけ救いがあるのかな。どうかな。
いいのか悪いのか、思うところは人それぞれだと思うな、うん。
ちょっと違うかもしれないけど、この作品を読んでいて加納朋子さんの「ガラスの麒麟」を思い出しました。
亡くなった人が美しい人で、小説を書いてたって言う所だけだけど。
瞳子は自殺だった。家庭が裕福で、働かなくても困らない。死ぬ理由が見つからない。
大学時代からの仲間だった、弦、法子、サチ、加代、猛は自殺の原因を追究する。
そして、悲しい真実を知ることになる。
最後まで読んでみて、瞳子は、やっぱり弱い人間だったのかなと、私は思う。
死ぬという選択だけじゃなくて、他にも逃げ道はあったと思う。
自分で思いを抱え込んでいて、自分だけではなくて、周りの人間も翻弄し、傷つけてるんだもの。
自分が傷ついているのを、人のせいにしている部分もある。
最初から最後まで、瞳子のことは嫌いだったなぁ。
他の5人は、幸せになってほしいなぁ。

〈光文社 2002.10〉H20.3.10読了