
ヒロとアキは引越しの準備を全て終え、明日の朝にはこの部屋を出、別々の道を進んでいく。
しかし、その前に2人には明らかにしなければならない謎があった。
ある男の死。
あの事件の真相は、一体何なのか――――
ようやくまわってきた恩田さんの新刊。
もう新刊じゃないかもしれませんが^^;
面白かったですね。
がらんとした部屋に2人が、ピンと張り詰めた空気の中佇んでいる。
この空気感が、恩田さんは上手いなぁと思う。
そして、2人は1年前の男の死について語りだす。
最初は2人の関係も、何の出来事なのかも分からなくて、?が多かったのですが、分かってからは読み進むのが早かったですね。
話の展開が面白かったです。さすが恩田さん。
最後のアキの想像はカナリ大きな想像のような気もしますが、それはそれでいいのかもしれないですね。
最後、アキがヒロに対してちょっと意地悪になりましたが、なんだか納得。
だんだんヒロが、駄々をこねる子どものように見えました。
アキが、彼に全てを告白したシーンが好きです。
これで、心の中のわだかまりをなくして生きていけるという前向きな行動のような気がしたので。
〈中央公論新社 2007.7〉H19.12.10読了
ヒロはだんだん情けない感じになってしまいましたね(苦笑)
全てが明らかになった後の、アキの気持ちの変化は納得でした。
す〜〜っと気持ちが冷めるって、わかるなぁとしみじみと思いました。
恩田さんの新刊、『いのちのパレード』(短編集)が今月発売みたいですね。
『きのうの世界』の発売はどうなっちゃったんだろうか?と、気になる今日この頃です。