赤朽葉家の伝説

オススメ!
“辺境の人”に置き忘れられた幼子。
この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。
これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。
―千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。
高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。

久しぶりに小説を読みました^^
ちょこっとだけ時間が取れるようになったので、この連休を利用して一気読み。
面白かったですね〜。
この作品も、大分前に「王様のブランチ」で紹介されていました。
なので、気になっていた作品だったんです。
桜庭さんの作品は初めてですが、好きになりそうです。
勝手にライトノベルを書かれる方だと思っていたのですが、そういうジャンルではないですよね、この作品は。
濃いですね。すっごい濃い。
一人ひとり濃いのにそれが三世代ですからね^^;読んだ後にずしっときました。
何だか旧家の雰囲気が「華麗なる一族」みたいだなぁと思ったり。
やっぱり印象に残ったのは万葉ですね。
千里眼で、見たくないものまで見えてしまうなんて、辛すぎるよね。
そしてやっぱり、最期の言葉ですね。
2人はきっと、お互いに好きだったんだと思います。
でも、一緒になる事は叶わないんですよね。
真相がわかったとき、こちらまで切なくなりました。
にしても、私は結構異世界というか、ちょっと違う世界だと思っていたんです。
なのに普通にビートルズとか、ディスコとかって言葉が出てくるからちょっとびっくりしちゃいました^^;
面白かったです。
これからも読んでいきたい作家さんです。

〈東京創元社 2006.12〉H19.5.4読了