扉は閉ざされたまま

久しぶりに開かれる大学の同窓会。成城の高級ペンションに七人の旧友が集まった。
(あそこなら完璧な密室をつくることができる―)
当日、伏見亮輔は客室で事故を装って後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。
何かの事故か?部屋の外で安否を気遣う友人たち。
自殺説さえ浮上し、犯行は計画通り成功したかにみえた。
しかし、参加者のひとり碓氷優佳だけは疑問を抱く。
緻密な偽装工作の齟齬をひとつひとつ解いていく優佳。
開かない扉を前に、ふたりの息詰まる頭脳戦が始まった…。

ずっと手元にあったんですが、積まれたままになっていた作品です^^;
最初から犯人とトリックが分かっている話だったのですが、犯人だといつばれるのかとひやひやして読んでいましたね。
このゾクゾク感が最初から犯人が分かっていないと味わえないスリルみたいな感じでしょうか。
にしても。
伏見のような人はいる気がするんですけど、優佳のような人って、あんまりいないような気がするな〜^^;
勘が鋭すぎるんだもの。凄すぎ。
2人の頭脳戦は見ものでした。
一人ひとりの描写も上手く書かれていて、性格もよくわかります。
みんな頭の回転が早い人たちなのに、よく犯行をするなぁと感心してしまうくらいでした。
石持さんの作品、まだ持ってるんです。
とても面白かったので、また読みます。

〈祥伝社 2005.5〉H19.1.31読了